篠原先生

2017.12.14

ゲームで脳を鍛える!?

子どもの遊び道具としてすっかり定着したゲーム機。
与える時期や遊ばせ方など、親をさまざまに悩ませますね。
今回は、ゲームと上手につき合うためのヒントです。

ゲームで脳を活性化できるか?

昨年の夏、わたしたちはニンテンドーDSを使った実験をしました。
対象は幼児から小学生。

子どもたちの脳をDSで活性化することができるのか、できるとすればどういう条件が必要なのか。
それが課題でした。

これまでの研究から、TVゲームでは5分もプレイすれば知の中枢、前頭前野が急速に活動を低下させることがわかっていました。
タイムトライアルさせたり、友達と競争させると活性化しますが、そう長くは続きません。

一方で、「大人の脳トレ」ではワーキングメモリ課題を多用することで、大人の前頭前野を活性化させることに成功していました。

※この記事は、「ほほえみお母さん&お父さん」2008年2月号に掲載されたものです。

子どもの脳を活性化させる条件

これらを踏まえて、試作機を作り、夏の実験を行ったわけです。
そこで子どもの脳、とりわけ 「知」「情」「意」に深くかかわる前頭前野を活性化させる条件をいくつかあぶりだすことができました。

1 ワーキングメモリーを使う間を与える
ワーキングメモリは、ある目的のための一時的な記憶です。
これが思想の基礎課程だと考えられています。
すばやい反応を求めるだけでは、脳は自動化を進め、前頭前野は沈静化してしまいます。
わずかな時間でも間をおき、記憶を保持させると前頭前野が活性化します。

がまんさせる
行動や気持ちを抑制することも前頭前野の重要な機能です。
この機能があってはじめて、「あることをおぼえておきながら、あることをする」という多重な知的作業が可能になります。
実際がまんさせる課題で前頭前野が活性化しました。

3 楽すぎず、きつすぎず
自分にとって楽すぎると前頭前野はあまり働きません。
きつすぎても働きを止めてしまいます。ちょっとがんばればできる、その難易度が重要でした。

4 10分程度を目安にする
工夫を凝らしても10分を超えるゲームになると脳の自動化が進み、前頭前野は沈静化してきます。
それがリラックスや心地よさにつながるのですが、それではトレーニングになりません。
10分くらいで区切がつくことが重要です。

5 達成感を与える
できた、わかった、なるほど、あっそうか!えっへん!そいうとき脳は活性化します。

6 ペンを使う
ボタン入力より、ペン入力のほうが前頭前野は活性化します。

子どもにゲームを与える場合はこれらの条件を踏まえ、できるだけ親がかかわって、妙なのめりこみがおきないようにしましょう。

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