篠原先生

2017.12.14

ポピーは実験します

幼児ポピー監修・指導の篠原先生が、毎回、脳を育てるためのヒントをお話しくださいます。
今回は、「ポピーの使用効果をどのように確かめているか」というお話です。

幼児ポピーを使って親子の脳を調べています

わたしたちは、夏休みにポピーの実験をすることを恒例にしています。長野県にある諏訪東京理科大学のラボに、「ポピっこ」の制作スタッフが集結します(写真1)。

ユーザーさんにもお集まりいただき、被験者になっていただきます。わたしたちの開発した問題や教材、付録などが、狙い通りに子どもの脳を活性化しているかを確かめ、今後の「ポピっこ」に生かすためです。
同時に、その子どもを見守っている、あるいはサポートしているお母さんやお父さんの脳活動も調べています。親子での学習をどう推進していけばよいかを考える材料とするためです(写真2)。

光を使って脳を調べる

使っているのはfNIRStation。近赤外線を使って脳活動を推定する機械です。
太陽に手をかざすと、指の股がほんのり赤くなりますね。あれが近赤外線です。この光を頭に照射すると、頭蓋骨をとおって大脳新皮質に達し、戻ってきます。
酸素を抱えた血液はやや赤いので、その時の光の戻り具合を調べると、脳のどの場所で酸素が増えているのかがわかります。脳細胞が活動すると、その場所で酸素が増えることが知られているので、酸素の増減から脳の部位別の活動状況が推測できます。
その結果は、画像データで示すことができます。赤いところが活性化しているところ、青いところは鎮静化しているところです(写真3)。

仮説、検証、改善

最近の計測機器は素晴らしく進歩していて、実験が終わると、その直後に、安静時に比べてどの場所が活性化し、どの場所が鎮静化しているか、統計学的に検証した結果を画像的に示すことができます。
写真4は、一連の実験後に、協力いただいた親御さん(とお子さん?)にその結果を説明しているところです。後ろにいるのは制作スタッフ。ちゃんと狙い通りの脳活動が見られたのか、ちょっとドキドキしています。
でも、こういうドキドキはとても大切。こういう緊張感なしにいいものなど生まれてきません。また、自分の作った教材を子どもが使っているときの脳活動を見ることは、制作スタッフの想像力を鍛えます。子どもの脳活動を推測する力を育てます。
そうして「ポピっこ」は改善され、進化していきます。
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