篠原先生

2020.10.20

脳のクセに合わせよう

脳のクセに合わせよう

人とのコミュニケーションが重視されている現代ですが、今回は脳のクセと、それをうまくこなすコツのお話です。苦手な人はもちろん、得意な人も必読ですよ~。

位置のモニターをしよう

みなさんは、誰かとちょっと話をしただけで、この人はちょっと上からね、とか、マウント気味?とか、逆に、妙に下からよね、とか、なんとなくわかると思います。
そんなときは、その位置取りについての「価値判断」はいったん棚上げして、相手の位置取りに合わせるのが楽なコミュニケーションのコツです。
「ちょい上にはちょい下」、「ちょい下にはちょい上」で対応します。相手が「ちょい上」なら、いかにあなたが正しい場合でも、さらに上からかぶせてしまっては、上、上、上、上…もめるだけです。学会ではよく見る風景です。
逆に、ちょい下な人に、こちらも下へ入れば、下、下、下…、話の終わりが見えなくなります。さっと上に入って軽く主張してしまうほうが楽だったりします。

距離のモニターをしよう

「距離」をモニターしておくことも役立ちます。こちらが親しげに話しかけているのに、何とはなしに「壁」を感じるとか、逆に、グググッと接近される感じがすることもあるでしょう。
私たちは、コミュニケーションというと、このグググッと近づくことこそ「正しいコミュニケーションの姿」だと思いがちです。近い距離がいいコミュニケーションで、距離を置くのはコミュニケーション上好ましくないと。
しかし、それは違います。近い距離が好きな人もいれば、遠い距離が好みの人もいます。
これも脳のクセ。だから、相手が遠い距離を好んでいると感じたら、遠く、少し距離をとります。近い距離が好ましいんだと感じたら、近く。これが鉄則です。「あっ、近づく感じ」、そう思えたなら、物理的にか心理的にか、こちらも一歩近づくことです。一方、「あっ、ちょっと壁」と思ったら、距離を置きます。無理して近づいても、相手が遠ざかるだけ。互いの距離は保存されてしまいます。相手にとって楽な距離が、互いの脳を楽にします。

接続詞のモニターも

接続詞のモニターも大事です。誰かと話していれば、話のつなぎ方が、「でも」「だけど」「でもさ」など逆接が多いのか、「だね」「そうね」「そして」など順接が多いのか、なんとなくわかると思います。
そして、逆接型の人に心を込めて接したのに、頭から否定された体験を持つ人もいるかもしれません。これも脳のクセ。文章のつなぎ方が逆接型になる人は、ものを考えるとき、「○○だけど××」「でも◇◇」と、逆説的なつながりで、ものを考えがちです。その一方で順接型の人は、
「○○だから、◇◇だよね」と、比較的順にものを考えていきます。
ですから、相手が順接型のときは、素直に言葉を交わしたり、提案を入れたりでOK。一方で、相手が逆接型のときには、ひとひねりが必要です。ストレートに提案したのでは、「だけど…」と否定されがちです。そんなときには、「だけど…」と言われるのを見越して次善策を最初に提案すると、「だけど…」と否定してくれて話が展開しやすくなります。相手の言葉を、極力そのまま返すのもいい方法です。「なるほど○○なんですね」と相手の言葉を返すと、「だけど…」と否定して、勝手に望む結論に向かったりします。
脳のクセの30~50%は遺伝要因で説明できますから、ここにあらがっても損です。うまいこと合わせましょう。
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