辰巳渚さんの 親だから伝えたい 話しておきたい 子どもへのアドバイス

2018.01.24

友だち関係が気になるとき

子どもが、学校帰りや休日に友だちと遊ぶことがない。「学校で誰と仲よしなの?」と聞いても、生返事。いじめなど深刻なことではなくても、子どもの友だち関係は親にとって常に気になるものですね。それでついつい、「今日は学校で誰かと遊んだの?」「たまには、前に仲よしだった〇〇ちゃんと遊んだら?」などと口にすることもあるでしょう。

ただ、子どもの友だち関係は子ども自身の問題です。友だちが必要ない子も、作れないでいる子も、悩んでいる子も、その子自身が「こうありたい」という願いをもって、懸命に学校での日々を過ごしているでしょう。親は、そんな子どもを信じていることしかできないのかもしれません。子どもが帰ってきたときに、「ここは自分らしくいられてほっとできる」と感じ安心して元気を蓄えられる場になるよう、口出ししすぎないのも愛情です。そして、子どもが自分で話し出したとき、その言葉をしっかりと受け止めましょう。

三択シミュレーション こんなときどうする?

日常的なシーンをもとに、親の声かけについて考えてみましょう。

こんなときあなたならどう言いますか?

シーンを思いうかべて答えてください。

仲よしの友だちが なかなかうまく作れない子には、どう声をかける?

1 お母さんもそうだったよ

2 友だちに出会うのは奇跡のようなものよ

3 自分から話しかけてごらん

辰巳さんからのアドバイス

それぞれの選択肢に対する辰巳さんからのアドバイスを紹介します。

今まで自分では意識していなかった子どもへの接し方や、親として気をつけたいポイントが見えてきます。

「正解」を求めるのではなく、「気づき」の参考にしてください。

1 お母さんもそうだったよ

身近な信頼できる人も同じだった、と聞くと安心するものです。「お母さんは、親友ができたのは高校生になってからだったなあ」「おじいちゃんは社交的だったけど、おばあちゃんは一人が好きで、いつも本を読んでいる人だったよ」など。いい面も直してほしい面も、「あなたはお母さんに似たのね」などと言われると、ほっとするのではないでしょうか。

2 友だちに出会うのは奇跡のようなものよ

今すぐの問題解決とはならなくても、もっと大切な親のアドバイスがあります。それは、人間関係についての「哲学」を伝えること。ある心理学者は、「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」と言っています。人間関係に悩みながらも生きていく勇気がもてるように、「大きくなって行動範囲が広がれば、きっと気の合う友だちが見つかるよ」「友だちを大切にする気持ちが、いい友だちと引き合わせてくれるよ」など、杖となる言葉を親の口から伝えてあげてください。

3 自分から話しかけてごらん

「どうしたら友だちができるの?」などと聞いてきたら、こう提案してみましょう。人間関係は、子どもも大人も、このあたりまえの態度がもっとも大切なのです。そして、うまく話ができなくても落ち込みすぎないように伝えてください。「1 回だけで諦めないでね」と。

辰巳さんからの宿題:友だちができる場面を一緒に想像

これから新しく友だちができるだろう場面を、一緒にいろいろと挙げてみましょう。「新しい習い事に行ったら」「児童館へ行ったら」「地域の合唱クラブに入ったら」「中学校や高校で」「大好きなテニスの部活に入ったら」……。チャンスは無限ですね。
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