親野智可等先生の子どもを伸ばす家庭力

2021.02.02

勉強は何のため?

先日、「『なぜ勉強しなきゃいけないの?』と子どもに聞かれて、言葉に詰まってしまいました」というお話を聞きました。難しい質問です。しっかり答えられるおうちの人は、どのくらいいるのでしょうか? 学年末のテストを前に疑問を持つお子さんも少なくないでしょう。そこで今月は、こんなときの対応についてお話ししたいと思います。

子どもの心に寄り添って

子どもに、勉強をする意義を聞かれたら、まずは真剣に考えてあげることが大切です。正解はありません。おうちの人の考えを聞かせてあげてください。
その際、さまざまな人の伝記にふれさせるのも良いと思います。過去の偉人や人生の先輩たちは、何のために生き、何のために勉強したのか、それを知ることは子どもにとって良い栄養になります。そして、それをきっかけに、親子で将来の夢について話し合ってみるのも良いでしょう。
ところで、この問いかけは、文字通り勉強する理由が知りたいというより、実は「勉強が楽しくない。
勉強がわからない。助けて」あるいは、「勉強が多すぎて大変!」という子どもの悲鳴だったり、SOSのサインだったりすることもあります。
この場合は、子どもの状況をよく理解してあげて、救いの手を差し伸べてあげることが最優先です。勉強がわからないようなら、おうちの人が教えてあげたり、担任の先生にフォローしてもらえるように頼んだりして、サポートしてあげましょう。
しかし、こうした働きかけをしても、状況がすぐには変わらないことが多いのも事実。そういうときは、勉強には目をつぶるという決断も必要です。その分、勉強以外で子どもが得意なことを伸ばしてあげたり、興味を持ったことに挑戦させてあげたりすることが大切です。それを深めていくことで、自分に自信が持てるようになり、前向きになれます。

興味を持ち、深められるように

子どもには、「お試し」でいいのでいろいろなことに挑戦させてあげましょう。子どもが何かに興味を持ったときが、子どもの世界を広げ、成長させるチャンスです。何でも良いのです。何か一つ、打ち込めるものを見つけられるように後押ししてあげてください。

おうちの人が考える姿を見せよう

大人が真剣に考える姿を見せることや、自分なりの精一杯の答えを示してあげることが大切です。そして、子どもにも自分なりに考えるよう促してあげてください。おうちの人に共感的に聞いてもらえたことで気持ちが楽になります。また、おうちの人への信頼感が子どもの心の支えになります。

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