親野智可等先生の子どもを伸ばす家庭力
上手な気持ちの伝え方
私たち大人の悩みの中で、最も多い悩みは「人間関係」に関することだと言われています。これは、子どもたちも同じです。
つまり、子どもの頃から他者と上手にコミュニケーションを取るスキルを身につけることができれば、それは一生の財産と言えます。今月はその方法についてお話ししましょう。
自分も相手も大切に
最近では、コミュニケーションのスキルを高めるために、アサーション・トレーニングを取り入れる学校が増えているようです。アサーションとは、自分も相手も大切にする自己表現の方法です。
まず、アサーションでは、コミュニケーションのための自己表現を、次の3つのタイプに分類しています。
①アグレッシブ(攻撃タイプ)
自分を中心に考え、相手のことは考えず、言いたいことを言う。いばり屋タイプ。
②ノン・アサーティブ(非主張タイプ)
自分の気持ちを抑えて、相手の言いなりになってしまう。おどおどタイプ。
③アサーティブ(調和的タイプ)
相手の気持ちに共感したり尊重したりしながら、自分の言いたいことも上手に言える。理想的なタイプ。
さて、あなたは3つのうち、どのタイプに近かったでしょうか。目指すべきは③のアサーティブタイプですが、もし、①のアグレッシブだったなら、意識して改める必要があります。なぜなら、親がアグレッシブだと、子どもは親に対して何も言えなくなってしまうからです。
親自身がアサーティブな自己表現(=上手な伝え方)を心がけていると、子どもにもよい影響があります。
子どもは自分の気持ちが尊重されていると感じて、親の愛情を実感できますし、親に対する信頼も育ちます。また、おうちの人を見本にして、子ども自身もアサーティブな伝え方ができるようになります。
いろいろな場面や状況をきっかけに、お子さんと上手な方法を話し合ってみてください。
日頃から親子で考える習慣を
テレビでアニメやドラマを見ながら、本や漫画を読みながら、「こういうとき、どう言ったらいいのかな?」と親子で考えるようにするといいですね。あるいは、おうちの人の仕事や生活の中で、上手な伝え方について考えさせられる状況があったら、それも話題にしましょう。子どもからも話題が提供されるようになるかもしれません。
自分も相手も大切にする伝え方
さらには、「明日はどうかな?」などと代案を出すと、相手は傷つきませんし、自分
も困りません。
最新の記事一覧
2023.03.10
2023.03.10
2023.03.10
2023.01.13
2022.11.14