親野智可等先生の子どもを伸ばす家庭力

2020.10.16

上手な気持ちの伝え方

私たち大人の悩みの中で、最も多い悩みは「人間関係」に関することだと言われています。これは、子どもたちも同じです。
つまり、子どもの頃から他者と上手にコミュニケーションを取るスキルを身につけることができれば、それは一生の財産と言えます。今月はその方法についてお話ししましょう。

自分も相手も大切に

最近では、コミュニケーションのスキルを高めるために、アサーション・トレーニングを取り入れる学校が増えているようです。アサーションとは、自分も相手も大切にする自己表現の方法です。
まず、アサーションでは、コミュニケーションのための自己表現を、次の3つのタイプに分類しています。

①アグレッシブ(攻撃タイプ)
自分を中心に考え、相手のことは考えず、言いたいことを言う。いばり屋タイプ。

②ノン・アサーティブ(非主張タイプ)
自分の気持ちを抑えて、相手の言いなりになってしまう。おどおどタイプ。

③アサーティブ(調和的タイプ)
相手の気持ちに共感したり尊重したりしながら、自分の言いたいことも上手に言える。理想的なタイプ。


さて、あなたは3つのうち、どのタイプに近かったでしょうか。目指すべきは③のアサーティブタイプですが、もし、①のアグレッシブだったなら、意識して改める必要があります。なぜなら、親がアグレッシブだと、子どもは親に対して何も言えなくなってしまうからです。

親自身がアサーティブな自己表現(=上手な伝え方)を心がけていると、子どもにもよい影響があります。
子どもは自分の気持ちが尊重されていると感じて、親の愛情を実感できますし、親に対する信頼も育ちます。また、おうちの人を見本にして、子ども自身もアサーティブな伝え方ができるようになります。
いろいろな場面や状況をきっかけに、お子さんと上手な方法を話し合ってみてください。

日頃から親子で考える習慣を

テレビでアニメやドラマを見ながら、本や漫画を読みながら、「こういうとき、どう言ったらいいのかな?」と親子で考えるようにするといいですね。あるいは、おうちの人の仕事や生活の中で、上手な伝え方について考えさせられる状況があったら、それも話題にしましょう。子どもからも話題が提供されるようになるかもしれません。

自分も相手も大切にする伝え方

例えば、「○○しようと誘われたけど、都合が悪い」ときの答え方です。アサーティブだと、まず相手の気持ちを受け入れて、その後で断る理由や状況を説明します。
さらには、「明日はどうかな?」などと代案を出すと、相手は傷つきませんし、自分
も困りません。

  • ポピー公式HPトップ
  • ポピー子育ておうえん隊
  • 幼児向け連動動画
  • 高校入試情報
  • ポピっこアプリ紹介
  • 公益財団法人 日本教材文化研究財団