ヒゲおやじ先生の脳コラム

2020.02.18

ゲームとどうつき合うか

スマホやタブレットでもゲームができるようになり、おうちのかたにとっては悩みどころ。今回のお話で、利点と難点を知り、上手につき合ってくださいね。

ゲーム時間の実態

国立病院機構久里浜医療センターの樋口院長らの努力が実り、昨年、
「ゲーム障害(いわゆるゲーム依存)」がWHOの国際疾病に認定されました。同センターは2019年11月に「ネット・ゲーム使用と生活習慣についてのアンケート結果」を報告しています。全国300地点の住民基本台帳から無作為に10~29歳の対象者を抽出し、アンケート調査を実施したものですが、抽出の段階で、10~18歳の比率が19~29歳の倍程度になるよう調整しているので、この結果の概要は全国の10代の動向がより強く反映されていると解釈できます。
この予備調査によれば、平日のゲーム時間は、一日1時間未満が40.1%、1~2時間が27.1%、2~3時間が14.6%、3~4時間が9.0%、4~6時間が6.5%、6時間以上が2.8%でした。

ゲームの効用

2016年のスペインの7~11歳の男女2400人超の調査では、ゲームをすることは、大脳基底核(だいのうきていかく)の白質(はくしつ)の変化と学習と脳の回路との伝達の改善に関連し、ゲーマーのほうが成績がよいと報告されています。しかし、ゲームに関連する技能向上は週8時間ほどで限界に達し、週9時間以上になると、他の子どもとの衝突など社会的行動の問題が生じる可能性が高まったそうです。ですから、ゲームをするのは、「週1~9時間未満は安全だと思われるが、9時間以上は勧められない」と発表されました。

適正な時間でゲームをやめるには?

久里浜の調査結果を見ると、子どもたちも望ましいゲーム時間をなんとなくわかっている節があります。
たとえば過去12か月間で「ゲームをしすぎていると思っているので、ゲームを減らすまたはやめたいといつも思っている」人の割合は、平日のゲーム時間が一日1時間未満が21.9%で最も低く、1~2時間で27.9%、2~3時間で31.1%とピークとなり、多くの人が一日のゲーム時間をなんとか1時間程度に収めようと努力しているようにも見えます。
しかし、一日のゲーム時間が6時間以上になると、そのように思っている人の割合は、23.1%と少なくなります。同じ傾向は、「ゲームをしすぎていると思っているが減らしたりやめたりできていないので、減らす・やめる試みをくり返している」人の割合でも見られます。
一日のゲーム時間が1時間越えたあたりで子どもたちは、やめようとあがくようなので、そのあがき〟をほめるのが得策かもしれません。2時間でやめたら、「よくやめたね!」とほめるのはもちろん、初めはゲームをやめようとした仕草が見られただけでも、ほめたほうがいいかもしれません。
一方、「ゲームのために、スポーツ、趣味、友だちや親せきと会うなどといった大切な活動に対する興味が著しく下がった」「学業に悪影響が出たり、仕事を危うくしたり失ったりしても、ゲームを続けた」といった悪影響は、ゲーム時間が長くなるほど増え、特に一日のゲーム時間が6時間強で急増します。
手を打つなら1時間越えあたりが肝どころ。そのあたりの子どものあがき〟を利用することが重要かもしれません。

幼児とゲーム

久里浜の調査では、ゲームを始めた年齢を、0~5歳と答えた人が21.1%、6~8歳と答えた人が45.1%でした。ゲームは脳の回路の伝達の改善効果が期待される一方で、やりすぎると悪影響を及ぼすことをふまえ、やる場合はゲームとの正しいつきあい方〟を早くから身につけていく必要がありそうです。

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