親野智可等先生の子どもを伸ばす家庭力

2019.12.13

よい親子関係を築く方法

わが子には健やかに育ってほしい、と思うあまりに、あれもこれも気になり、ついイライラ。あれこれ口出し、きつい言葉で叱ってしまう……。そんな「子どものため」が、実は悪影響を与えていることも少なくありません。今月は、子どもを思いやりながら、よい親子関係を築いていく方法についてお話ししたいと思います。

そのひと言を言う前に

親はよく次のような言葉を子どもにぶつけます。「何度言ったらできるの?」 「なんでこんな問題もできないの?」 「妹はちゃんとできてるよ。それでもお兄ちゃんなの?」
こういうひどい言葉が、毎日あちらこちらの家庭で飛び交っています。こんな言葉は一切子どものためになりません。それどころか、子どもに深刻な悪影響を与えます。こんな言葉を浴びせられている子は「自分はダメな子だ」と感じて、自己肯定感が低くなります。さらに挑戦する意欲や向上心が持てなくなり、がんばるエネルギーもなくなってしまいます。親の愛情を感じられず、「自分は親に大切にされていない。私なんかいないほうがいいんだ」と自己否定感ばかりが強くなります。
「子どものため」というのは、本当は「親自身のため」なのです。つまり、自分のストレス解消のためなのです。そのことに気づいてほしいと思います。これは、親という圧倒的に優位かつ権力的な立場を笠に着たハラスメントです。
私たちは、ニュースを見ながらセクハラやパワハラの加害者に憤りを感じます。でも、実は自分が子どもに同じようなことをしているかもしれない、ということには思い至りません。自分が子どもにハラスメントを行っていないか、思いを巡らせてみてほしいと思います。

子どもをリスペクト

親と子という立場の違いはあるにしても、一人の人間同士であることに変わりはありません。子どもを一人の人間としてリスペクトし、言葉も含めて丁寧な接し方をしましょう。そうすれば、子どもも自分の存在を肯定できるようになり、がんばるエネルギーも湧いてきます。親に対する信頼感も高まるはずです。

ことわざを子育てに

ことわざは先人の知恵の結晶です。過去の多くの人たちが学んできた普遍的な真実が、見事に言葉として表現されています。仕事や子育てに活かそうという気持ちで読んでみると、それが自分の行動や心の動きを振り返る手立てとなるでしょう。

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