親野智可等先生の子どもを伸ばす家庭力

2018.12.01

子どもの要求への対処法

買い物に行っては、「あれが欲しい、これが欲しい」。友だちを引き合いに出しては、「みんながしているから、わたしもしたい」。子どもがこう言うとき、どこまで認めていいのか、どこからノーと言うべきか、悩みます。という質問をおうちの方からよく受けます。今月は、子どもの要求に迷ったときの対応方法について、お話ししましょう。

子どもの話に誠実に耳を傾けて

子どもがいろいろな要求を言ってくるのはとてもよいことです。子どもが自己主張できているということだからです。
反対に、子どもが親に何も要求できない、一切自己主張できない、そういう親子関係だとしたらものすごく心配です。子どもの要求には応じない、厳格なしつけ主義の親がいますが、これだと、子どもは「自分は何を言ってもムダだ」と感じて何も言わなくなります。そして、その気持ちが人生そのものに対する無力感につながり、「自分は何を求めてもムダだ。何か願いを持っても叶えられない」と感じるようになります。ですから、子どもがいろいろ要求してくるのはよいことなのです。
ただし、子どもの言うことをすべて丸呑みで、何でも聞いてあげ、欲しがる物は何でも買ってあげる、という放任主義の親も問題です。これだと、子どもは自分の気持ちや欲望をコントロールする経験ができません。当然、生活習慣、お金、持ち物の管理など、何ごとにおいてもいい加減になってしまいます。さらには、こういう親に対して、子どもは「自分のことを真剣に
考えてくれていない。自分のことなんかどうでもいいと思っているんだ」と感じるようになります。
ぜひ、子どもの話に誠実に耳を傾けて、まずは共感的に聞いてあげてください。たとえ願いが叶わなくても、おうちの人に一緒に考えてもらえたことで、気持ちが満たされるということもあるのです。

交渉のテーブルについてあげましょう

「なぜ、 ○○したいの?」「 だって、□□だから」「 う~ん……、それならいいよ」。親子交渉の結果、イエスになることもあり、ノーになることもあるでしょう。イエスでもノーでもなく、お互いに妥協し合って着地点が見つかることもあるでしょう。いずれにしても、このような交渉が大事であり、それ自体がとてもよい教育の機会でもあります。

気持ちに共感してから理由を伝えて

結果的にノーと言う場合も、まずは子どもの気持ちを共感的に聞いてあげることが大切です。そして、ノーと判断した理由も誠実に話してあげてください。子どもは「気持ちはわかってもらえた」とある程度の満足感が得られるので、「まあ、しょうがないか」とあきらめがつくのです。

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