親野智可等先生の子どもを伸ばす家庭力

2018.11.01

子どもとのいい距離の取り方

子どもにできないことがあるとき、手伝ったりやってあげたりする人は多いと思います。でも、そのとき内心は穏やかではなく、「過保護すぎるのでは?」とか「これでは自立できないのでは?」などと悩んでしまうと思います。そこで、今月は、子どもの自立に向けての、親の上手な関わり方についてお話ししたいと思います。

できないことはやってあげよう

子どもがどうしてもできないことは、手伝ったりやってあげたりしてください。そうすれば、ガミガミ叱らなくてすみます。
でも、そう言うと、「手伝うならともかく、やってあげていいの? それではいつまでも自立できないのでは?」と心配になる人が多いと思います。でも、実はこれは根拠のない迷信です。たしかに20年くらい前までは、そういうことを言う児童心理学者もいましたが、今は違います。
今、児童心理学者たちは次のように言っています。「できないことを叱っていると、子どもは自信がなくなってますますできなくなります。それよりも、手伝ったり上手にやってあげたりしたほうができるようになります。」


では、上手にやってあげるというのは、どういう意味でしょうか?それには二つの条件があります。

一つは、いちいち叱ったり文句を言ったりしないで、明るい雰囲気でやってあげるということです。
もう一つは、子ども自身にやる気があって、時間的な余裕もあるときは待ってあげるということです。そういうときもやってしまっていては、もちろん自立の妨げになります。でも、そうでないときはやってあげてください。

できることは大いにほめる

子どもができないことを「また○○してない。○○しなきゃダメでしょ」などと叱っていると、子どもは「どうせ自分は○○なんてできないよ」「自分はダメな子だ」と思い込むようになります。できないことはまずは一緒にやってみて、ほんの少しでもできるようになったら、大袈裟なくらいにほめてあげてください。

十分な愛情が自立の原動力

自分でできないとき、親が手伝ったりやってくれたりすると、子どもは親の愛情を感じます。感謝しますし、親に対して素直な気持ちにもなります。そして、「自分でできるようになりたい。がんばろう」という気にもなれます。でも、親が叱りながらやっていると、こういう気持ちにはなれません。すべて台無しなのです。

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