親野智可等先生の子どもを伸ばす家庭力
子どもとのいい距離の取り方
子どもにできないことがあるとき、手伝ったりやってあげたりする人は多いと思います。でも、そのとき内心は穏やかではなく、「過保護すぎるのでは?」とか「これでは自立できないのでは?」などと悩んでしまうと思います。そこで、今月は、子どもの自立に向けての、親の上手な関わり方についてお話ししたいと思います。
できないことはやってあげよう
子どもがどうしてもできないことは、手伝ったりやってあげたりしてください。そうすれば、ガミガミ叱らなくてすみます。
でも、そう言うと、「手伝うならともかく、やってあげていいの? それではいつまでも自立できないのでは?」と心配になる人が多いと思います。でも、実はこれは根拠のない迷信です。たしかに20年くらい前までは、そういうことを言う児童心理学者もいましたが、今は違います。
今、児童心理学者たちは次のように言っています。「できないことを叱っていると、子どもは自信がなくなってますますできなくなります。それよりも、手伝ったり上手にやってあげたりしたほうができるようになります。」
では、上手にやってあげるというのは、どういう意味でしょうか?それには二つの条件があります。
一つは、いちいち叱ったり文句を言ったりしないで、明るい雰囲気でやってあげるということです。
もう一つは、子ども自身にやる気があって、時間的な余裕もあるときは待ってあげるということです。そういうときもやってしまっていては、もちろん自立の妨げになります。でも、そうでないときはやってあげてください。
できることは大いにほめる
十分な愛情が自立の原動力
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