親野智可等先生の子どもを伸ばす家庭力

2018.09.01

愚痴を言いたくなったとき

「なんでいつもこうなるんだろう」「あんなふうに言わなくたって…」よくないとは思いつつも、つい子どもの前で愚痴を言ってしまうことはありませんか? とはいえ、がまんし続けては窒息してしまいます。そこで、今月は親の愚痴と子どもとの関係や、感情の転換方法についてお話ししましょう。

子どもにはTPOを考えて

ストレスが溜まったときは、誰かに愚痴を聞いてもらいたくなりますよね。その気持ちは本当によくわかります。愚痴を聞いてもらえばなんとなく心が軽くなります。たとえその相手が子どもでもです。
でも、やはり常に、子どもに愚痴を聞かせるのはやめたほうがいいです。とはいえ、同じ屋根の下で暮らす親子ですから、日々いろいろな話をする中で、愚痴を全く言わないというのは難しいかもしれませんし、ある意味不自然かもしれません。また、愚痴の内容によっては「お母さん、お父さんも大変だな。大変な中でがんばってくれている。わたしもがんばろう」というようにとらえてくれるかもしれません。
ですから、愚痴の内容にもよりけり、程度にもよりけりで、T(時間)P(場所)O(場合)を考えて、ちょっとくらいなら子どもに愚痴を聞かせてもOKだと思います。たまには、仕事の愚痴を言ってしまうかもしれません。でも、それだけでなく、仕事の楽しさ、やりがい、達成感、社会的な意義なども一緒に伝えてあげるとよいでしょう。
ストレスを溜め込んでいると、愚痴は多くなります。自分なりのストレス解消法を持つ、愚痴を聞いてくれる相手をたくさん見つけるなど、ストレスを上手に発散させることが大切です。

考え方次第でポジティブに

ものの見方や考え方を変えることで愚痴が減ります。仕事で失敗しても「自分はダメだ」と落ち込むのではなく、「次のためのよい経験」ととらえます。子どものテストの点も同じです。たとえ点数がよくなくても今のうちに苦手がわかってよかったと、気持ちを切り替えればよいのです。

たまに話す愚痴で、子どもの心も楽になります

親が愚痴を言えば、子どもも自分の愚痴を言いやすくなるという側面もあります。これは、心理学でいうところの「自己開示の返報性」というもので、心の中の秘密を打ち明けてもらうと、自分も同じ程度の打ち明け話をしたくなるという法則です。子どもは心が楽になり、親は子どもの気持ちを知ることができるというメリットがあります。

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