辰巳渚さんの 親だから伝えたい 話しておきたい 子どもへのアドバイス
きょうだいの扱いに困るとき
きょうだいがいると、子ども同士で遊んだり助け合ったりしてくれるからいいものですね。ただ、気の強い妹が、お兄ちゃんと張り合おうとしてすぐケンカになったり、お姉ちゃんが弟をめんどうくさがって、意地悪を言ったり……。「せっかくのきょうだいなのに、もう少し仲よくできないのかしら」とか、「いつもは仲よしなのに、時々大きなケンカをするのをなんとかしたい」などと思うこともあるかもしれません。
仲がよいと安心ではあるでしょうが、ケンカやものの取り合いなどのいざこざも含めて、きょうだいは人との接し方を学ぶ大事な相手です。親はじょうずに見守っていて、ここぞというときに注意できるといいですね。注意するときは公平であるべきですが、「お兄ちゃんだから」「年下なのに」という言い方も、ときには家庭内では必要でしょう。人は社会の中で、役割を生きる力が大切なのですから。
三択シミュレーション こんなときどうする?
日常的なシーンをもとに、親の声かけについて考えてみましょう。
こんなときあなたならどう言いますか?
シーンを思いうかべて答えてください。
兄にケンカをふっかける妹に、なんと言えばいい?
1 どうして仲よくできないの!
2 お兄ちゃんに向かって、そんな言い方をしないの
3 ちょっとお話ししようか
辰巳さんからのアドバイス
それぞれの選択肢に対する辰巳さんからのアドバイスを紹介します。
今まで自分では意識していなかった子どもへの接し方や、親として気をつけたいポイントが見えてきます。
「正解」を求めるのではなく、「気づき」の参考にしてください。
1 どうして仲よくできないの! 【×】
「どうして宿題をできないの!」など他の場面でも言いたくなってしまいますが、この言い方は、子どもにとっては言われても意味のない注意です。親の「仲よくしてほしい」という願いを、子どもを責める言い方で伝えているだけ。ならば「もっと仲よくしてほしいわ」とストレートに言うほうがずっと伝わります。
2 お兄ちゃんに向かって、そんな言い方をしないの 【○】
「お兄ちゃんなんてバカなのに」など兄をけなす言い方をしたときには、妹として兄を大切に思うように伝えるのは大事なことです。そのときに、「あなたはお兄ちゃんをバカにしたでしょう」などと妹の気持ちを決めつけず、言葉遣いや態度そのものを注意するようにしてみてください。
3 ちょっとお話ししようか 【○】
一度、特に何も起きていないときに、妹とじっくり話をしてみてもいいでしょう。親にかまってほしい思いなどが、兄に向かっている可能性もあります。どんなに小さな子でもしっかりと話を聞いてあげると、ちゃんと自分の気持ちや願いを話せます。親の「こうあるべき」を求めないで、まずはどんな気持ちでも「あなたはそう感じているのね」と受け止めてみてください。
辰巳さんからの宿題:「どっちを選ぶ?ゲーム」をしてみましょう。
「Aきょうだいがいるほうがいい/Bいないほうがいい」という設問に、家族それぞれがゲームとして「自分はA」「自分はB」と選び、その理由を話します。両親も子どものころの気持ちに返って、素直な気持ちで話してみましょう。
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