ヒゲおやじ先生の脳コラム

2018.04.14

やっぱり好きになることが大切

幼児期に身につけた体を使うことが好きになること、頭を使うことが好きになること。大人になっても大いに影響があります。最新の研究からわかる興味深いお話です。

「体を動かしている」感が頭の働きをよくする?

これまで、運動は頭の働きをよくするとお話ししてきました。だから幼児ポピーでは運動遊びを取り入れていると。しかし、2018年1月、ミシシッピー大学の調査で、実際の運動量より「自分は人より体を動かしている」という主観が、頭の働きをよくするのではないかという報告がありました。
60才以上の2千人を超える男女を対象に、DSSTというテストで、実際の運動量と主観的な運動感と認知機能を調べたそうです。
DSSTでは、1~9の数字に記号が割り振られます。たとえば、「1」には「〇」、「2」には「◇」、「3」には「イ」という具合です。設問用紙には「213724…」などと数列が記載されていて、各数字の下に数字に対応する記号を記入していきます。これは知能テストの一部で、反応速度、注意の持続力、空間認知力、切り替えの速さなどを調べるためによく使われるものです。
その結果、実際の運動量と主観的な運動感、それぞれではどちらも高いほうが認知機能が高かったのですが、同時に関係を解析すると実際の運動量の影響が消え、主観的な運動感の影響が残ったのだそうです。実に興味深い結果です。
とはいえ、「人より体を動かしている」という主観的な運動感は、実際の運動体験がないと得られにくいでしょう。それに主観的な運動感は運動が好きであるほど高まるので、幼児期から運動が好きになることは大事です。少なくとも運動嫌いにならないよう、体を動かすことが楽しいと思えるような働きかけが大切です。

能力のピークは案外遅い

ところで、DSSTで調べられるような「総合的な情報処理能力と記憶力」は18歳くらいがピークになります。一方で、歳をとるほどに経験が豊富になり、知恵や知識がついていくということがあります。そのため、他の能力のピークは18歳ではなく、もっと遅くなります。
たとえば「名前を記憶する能力」は22歳くらい、「顔の識別能力」は32歳くらいです。
「何かに集中する力」は、仕事などに集中する体験をたくさん持つ大人のほうが高く、43歳前後が集中力のピークになります。
また、人の感情の動きは体験なくしては把握しづらいらしく、「感情認知能力」のピークは48歳だそうです。
「総合的な情報処理能力と記憶力」のピークが18歳だと考えると、歴史的な出来事や政治的な思想といった「一般的な情報を学び、理解する能力」も18歳がピークかと思われるかもしれません。しかし、それらは実際には情報処理パターンを豊富に持ち、適切な選択のできる、50歳くらいがピークになるそうです。
また、「計算能力」のピークは50歳、「語彙力」のピークは67歳だそうです。
大人たちもまだまだこれからピークを迎える力がたくさんあります。ただそれらの力を発揮するには、年齢とともに経験を積む中で知恵や知識がつくことが必須で、その基礎になるのはやはり「頭を使うことが嫌いじゃない、好き」という感覚です。
ぜひお子さんと一緒にポピーを使いながら、体を動かし、頭を使うことを楽しんでください。

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