辰巳渚さんの 親だから伝えたい 話しておきたい 子どもへのアドバイス

2017.12.05

寝坊する癖が直らないとき

朝、子どもにいくら声をかけても起きてこない。それどころか、不機嫌になってしまう。そんな朝がつづくと、せっかく新しい学年になったのにいいかげん嫌になってしまいますね。睡眠時間をしっかりとるために夜早めに寝かせたり、朝はカーテンを開けて部屋が明るくなるようにしたり、といった工夫をしても、大人ほど効果はないようにも感じます。なぜ寝坊する癖は直らないのでしょうか。睡眠の質に問題がないのであれば、起きるときの習慣に「寝坊」のカギがあるのではないでしょうか。ぎりぎりになっても必ずお母さんが起こしてくれる、と子どもが安心しきっていたら、自分からは起きてきませんね。7時に起きる約束なのに、毎朝、7時半まで布団にいるなら、「起きる時間は7時半でいい」と思っているかもしれません。一度、親子で今までの起き方・起こし方はどうだったかを話して、子どもに「自分で起きるにはどうすればいいか」を聞いてみましょう。

三択シミュレーション こんなときどうする?

日常的なシーンをもとに、親の声かけについて考えてみましょう。

こんなときあなたならどう言いますか?

シーンを思い浮かべて答えてください。

子どもが、発表会など大事な日に寝坊した場合、どう声をかける?

1 とにかく、着替えて準備をしたら?

2 自分で起きられるって言ったよね?

3 もう一度、次の発表会のときに挑戦してみようか?

辰巳さんからのアドバイス

それぞれの選択肢に対する辰巳さんからのアドバイスを紹介します。

今まで自分では意識していなかった子どもへの接し方や、親として気をつけたいポイントが見えてきます。

「正解」を求めるのではなく、「気づき」の参考にしてください。

1 とにかく、着替えて準備をしたら?

大事な日だからこそ「しまった!」という思いは子ども自身が身に染みているでしょう。つい「大事な日なのに、なんで寝坊したの!」と叱りたくなりますが、そんな朝、大事なのは、「なぜ(原因)」ではなく、「ではどうする(対処)」です。「どうしよう」と茫然としているであろう子どもが、短い時間でも準備できるように、「まずは着替えてしまいなさい」など具体的に声かけして動けるようにしてあげましょう。

2 自分で起きられるって言ったよね?

つい念押しで言いたくなってしまうでしょうが、この言葉から、「お母さんのせいじゃないよ」というメッセージを読み取ってしまう子もいるかもしれません。子どものうちは、誰かの助けを得ながら自分でやってみて、次には自分でできるようになる、というステップを繰り返して成長していくものです。がんばって「自分でできる」と言ったのに、その責任を全部負わねばならないのは、子どもには負担が大きすぎます。「自分ではできない」と言うほうが安全だ、と子どもが勘違いしてしまっては困りますね。

3 もう一度、次の発表会のときに挑戦してみようか?

子どもに再挑戦のチャンスを与えるのはよいことです。ただ、同じように大事な日を設定すると、「大事な日にまた寝坊したらどうしよう」と不安になってしまいかねません。子どもの成長においては、失敗も許される小さな挑戦を積み重ねていくことで、「やればできる」「失敗しても取り返せる」といった自信がついていきます。「朝寝坊しない」挑戦は、「月曜日の朝」「明日の朝」など、普段の生活から始めてみてはいかがでしょうか。

辰巳さんからの宿題:「起き方」について話してみて!

親子でいつもの「起き方」について、話してみましょう。まずは、「いつもこうやって起きているよね」といった事実を確認しあってみてください。さて、そうやっていつもの「起き方」がわかったら、子どもはどんな提案をするでしょうか。親が「こうしよう」と思う内容と同じでしょうか? 違うでしょうか? 親として、子どもの提案どおりにやってみる勇気はありますか?
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