親野智可等先生の子どもを伸ばす家庭力
子どもをほめ続けるために
「算数の勉強、よくがんばったね。でも、少しがんばれば、もっといい点が取れるよ」とか「漢字ももっとがんばらなきゃね」など、子どもをほめたいと思う気持ちと裏腹に、つい余計なひと言を言ってしまうおうちの人が多いですよね。そこで、今月は子どもをほめ続けるためのコツについてお話ししましょう。
日記をつけよう
わたしは、1995年から日記をつけ始めました。そして、日記をつける習慣は今も続いています。教師のときに、次のようなことを書いていました。
「ほめた、A君、無人トイレで全部整頓、養教より」
あるとき、A君がトイレのスリッパをきれいに並べてくれていたのを、養護教諭が見ていたのです。誰もいないのに自分から進んで整頓していたのです。たまたまトイレ点検に来た養護教諭が見つけて、わたしに連絡してくれました。
わたしは、もちろんA君をほめました。そして、本人も忘れかけたころ、親子面談のときにもう一度話題にしてほめました。
「そういえば、こういうこともあったね。A君は人が見ていないところでもみんなの役に立つことを進んでできる子だね。保健の先生も感心していたよ」。A君の笑顔が今でも浮かんできます。
わたしは、親もわが子をほめた記録をつけておくといいと思います。子どものいいところを見つけて書いておくと、子どものいい行いが消えることなくずっと残っていきます。そして、それも材料にして、ほめ続けることで自分へのいいイメージを持てるようにしてあげることです。そうすれば、子どもは自分のいいイメージに合った考え方や感じ方をするようになります。当然、行動もそうなり、さらにほめることができるのです。
そのために、日記はオススメのツールです。
ワンフレーズ記録
まずは、子どもをほめたことをワンフレーズで記録しましょう。文章にこだわらずに、できるだけキーワードで済ませるようにします。文章にこだわると面倒ですし、そのちょっとした面倒さが続かなくなる原因になるからです。
読み返してしみじみほめよう
日記に記録しておくと、ときどきそのことを思い出すことができます。毎日いろいろなことが起きるので、どんなにうれしいことでも、ともすれば記憶の彼方に流れ、イライラだけが表出してしまいます。日記を読み返せば、いつでも子どものいい行いを思い出すことができます。
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