親野智可等先生の子育て診断テスト
授業参観で活躍できなかったわが子にかける言葉は?
授業参観の前の日、小学4年生の娘がこう言いました。 |
【A】 「ちょっとがっかりしちゃった。この次はがんばってね」と言う
【B】 「発表だけが勉強じゃないんだから、気にしなくていいんだよ」と言う
【C】 「発表したくてうずうずしていたね。手も挙がりかかっていたね」と言う
【D】 その話題には触れないで、そっとしておく
診断結果
【A】「ちょっとがっかりしちゃった。この次はがんばってね」と言う
いちばんがっかりしているのは、ほかならぬ本人です。
その上で、親に「がっかりした」と言われるのは、子どもにとってとても辛いことです。
親に「がっかりした」と言われると、子どもは自分が丸ごと否定されたように感じるものです。
これは、親が子どもに絶対言ってはならない禁句のひとつです。
親はけっこう気楽に言いますが、言われた子どもの方は大きく傷つきます。
場合によっては、親への不信感に結び付きかねないほどの危ない言葉なのです。
【B】「発表だけが勉強じゃないんだから、気にしなくていいんだよ」と言う
この子は、発表できない自分をなんとか変えようという気持ちのある子です。 今も、その気持ちは変わっていないかもしれません。 それなのに、親がこのように言ってしまっては元も子もありません。 最終的にはこういう言葉が必要になる場合があるかもしれませんが、本人に向上心があるうちはまだ早いと思います。 親が決めつけたように何か言う前に、子どもが思っていることを引き出して聞いてやることが大切です。 |
【C】「発表したくてうずうずしていたね。手も挙がりかかっていたね」と言う
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【D】 その話題には触れないで、そっとしておく
これはかえって不自然でしょう。 Cのように誘い水を向けて、思っていることをどんどん話させた方がいいと思います。 鬱屈した気持ちを吐き出すことで、ストレス解消になります。 また、うまく話を引き出してやれれば、自分を見つめるきっかけにもなります。 夕食のときなどに、このような時間を毎日持つといいと思います。 これは、子どもの心の安定と健やかな成長に欠かせないことです。 |
解説
子どもの内面にあることを引き出してやることが大切
子どもが落ち込んでいるときは、心の中にあることをどんどん話させることがとても大切です。
Cのように誘い水を向けることで、子どもは自分の内面を語り出します。
Bでは、親の結論の押しつけになってしまいます。
Dでは、かえって子どものストレスがたまります。
Aの「がっかりした」は、絶対言ってはいけない言葉です。
つまり、Cがいちばんです。
低学年のうちは、男の子も女の子もとてもよく発表します。
中学年でも、それほど変わりません。
でも、小学4年生の後半くらいから、ちょっとした変化が訪れます。
男の子はそれほど変わりませんが、女の子がだんだん発表しなくなるのです。
この時期、女の子には内面的な変化があるようです。思春期の始まりの始まりという感じです。
そして、この頃から、男の子と女の子の内面のギャップが大きくなりだします。
5、6年生になると、同じ学年の子とは思えないくらいの差になります。
それが、授業中の発表にも表れてくるのです。
発表は、このような内面の成長とともに、個人の性格も関係しています。
性格的に発表に向かないという子もいます。
ですから、あまりやみくもに「発表、発表」と言いすぎてはいけません。
でも、本人に発表をがんばろうという気持ちがあるのなら、その気持ちも大切にしてやりたいものです。
いずれにしても、本人の心の内を知って対応する必要があります。
それがわかれば、もうひと押しが必要なのか、それとも、あまり言わない方がいいのかもわかってきます。
つまり、いきなり親の考えを押し付けるのではなく、自分から話し始めるように仕向けることで、本人の心の内を知って対応することができるのです。
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