親野智可等先生の子育て診断テスト
「楽勉(らくべん)」をさせようとしても、気乗りしない我が子
Aさんが読んだ本に、「親子で旅行するとき地図帳を持って行くといい」と書いてありました。 |
【A】「4年生で地図の勉強をするときに慌てても遅いよ」と言って、地図帳をしまう
【B】「4年生で地図の勉強をするから、今から慣れておくほうがいいんだよ」と言って、続ける
【C】 地図帳で楽勉させるのは諦めて、地図帳をしまう
【D】 子どもに見せるのはやめて、親だけで地図帳を楽しむ
診断結果
【A】「4年生で地図の勉強をするときに慌てても遅いよ」と言って、地図帳をしまう
このような捨て台詞を言ってみても、誰のためにもなりません。
楽しい旅行に水を差すだけです。
地図帳に対して嫌な印象を与えることもあり得ます。
【B】「4年生で地図の勉強をするから、今から慣れておくほうがいいんだよ」と言って、続ける
楽勉とは、そもそも、生活や遊びの中で楽しみながら行うものです。
楽しんでいるうちにいつの間にか力が付いている、というのが楽勉なのです。
楽しめないなら、それはもう楽勉ではありません。
この場合に無理強いすると、地図が嫌いになることも考えられます。
【C】地図帳で楽勉させるのは諦めて、地図帳をしまう
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【D】 子どもに見せるのはやめて、親だけで地図帳を楽しむ
親が自分で地図帳を楽しんでいる姿を見せるのは、とてもいいことです。
子どもが今興味を持たなくても、「地図帳って楽しいらしい」ということは感じるかもしれません。
そうすれば、もう少し大きくなってから、自分でやりだすことは大いにあり得ます。
解説
無理にやっては楽勉ではない
子どもが楽しみながら、楽をしながらやる勉強を、わたしは「楽勉」と呼んでいます。
しかし、 親が楽勉と思って与えたものに子どもが興味を持たないときは、無理にやってはいけません。
ですから、いちばんいいのは、CとDです。
親子で旅行するとき、地図帳を持って行くのはとてもいいことです。
電車に乗りながら、渡った川や停まった駅を確認すると地理の楽勉になる、というのも本当です。
4年生になって地図の勉強をやる前に、少しでも慣れておけば有利だというのも本当です。
でもそれは、子どもが興味を持って楽しんでやれることが絶対条件です。
4年生で正式な勉強として出てきたら、当然やらなければなりません。
でも、それ以前に楽勉としてやるときに、無理強いする必要などありません。
それは、むしろ逆効果です。
誰かがいいと言ったとか、本にいいと書いてあったなどといっても、それが必ずどの子にもいいとは限りません。
実際の子どもは、発達段階も興味の方向もそれぞれ違っているからです。
それを受け入れる素地がないところで、無理矢理やっても効果はありません。
人が言ったことや本に書いてある情報を最優先して、我が子の発達段階や興味の方向を無視してしまう親がときどきいます。
我が子をよく見ることが大切です。
そうすれば、必要なことは我が子が教えてくれるはずです。
ときには、我が子こそが、いちばんの情報源なのです。
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