親野智可等先生の子育て診断テスト

2017.12.19

子どもは苦手なことが直せるか?

片付けができない、整理整頓が苦手、やるべきことを後回しにする、マイペースすぎる、ノートの字が雑、積極的に発表できない、などなど、子どもにはいろいろと苦手なことがあるものです。

あなたの考えは次のどれですか?

【A】 たとえ直しにくくても、子どものうちに直すのが親の務めだ


【B】 「鉄は熱いうちに打て」というくらいで、苦手なことは子どものうちのほうが直しやすい

【C】 子どもは、苦手なことをなかなか直せない

診断結果

【A】たとえ直しにくくても、子どものうちに直すのが親の務めだ

このような思いが強いと、どうしても叱ることが多くなります。
叱っても当然子どもは直せないので、毎日毎日叱り続けることになります。
ときには、親の実力行使が行われることもあります。
この実力行使は、必ず子どもの心に反発を育てます。
Aのような思いが強いと、親子で苦しむことになり、親子関係にひびが入ることも多いのです。

【B】「鉄は熱いうちに打て」というくらいで、苦手なことは子どものうちのほうが直しやすい

音楽、そろばん、語学など、子どものうちのほうが上達が早いものはたくさんあります。
ですから、子どもにはなんでも「鉄は熱いうちに打て」が当てはまると思ってしまいがちです。
でも、苦手なことを直すのは、音楽、そろばん、語学などを伸ばすのとは次元の違う話です。
はっきり分けて考えるべきです。

【C】子どもは、苦手なことをなかなか直せない

誰にとっても、もともと苦手なことを直すのは非常に大変なことです。
そのためには、次の3つが絶対に必要です。
・強烈なモチベーション
・強固な意志
・方法を工夫する能力
どれもこれも、子どもには望めないものです。
はっきり言って、苦手なことを直すのは子どもには無理なのです。

解説

苦手なことには「叱らないシステム」を作って、親子ともども楽しく安らかな生活を
子どもは苦手なことがなかなか直せないものです。 この事実を事実として認識することが大事です。
いちばんいいのはです。

「子どもは苦手なことをなかなか直せない」とはっきり言い切ることには、抵抗がある人が多いと思います。
まるで、あきらめて見放しているように聞こえるからです。
また、教育を放棄しているようにも聞こえます。

でも、「子どもは苦手なことをなかなか直せない」というのは事実です。
わたしは、この事実を事実としてすべての大人が受け入れるほうがいいと思います。
というのも、「子どものうちに苦手を直そう」ということで、親子で苦しんでいる場合があまりにも多いからです。
だから、わたしは、あちらこちらで繰り返して言いたいと思っています。

子どもの苦手なことについては、叱って直そうとするのではなく、いろいろと合理的な工夫をすることが大切です。
片付けが苦手なら、生活の中に片付けタイムを位置付けるとか、収納場所に「カード類」などの明示をするとか、片付け方を書いて貼っておくといった工夫をしましょう。
このような、叱らなくても自然にできる「叱らないシステム」を作って、毎日の生活を親子ともども安らかに過ごせるようにしてください。

でも、それでも直ると思わないことです。
直すためのシステムと考えないで、生活を安らかに送るためのシステムだと考えてください。
直ると考え始めると、叱りたくなるからです。

そのような楽しく安らかな生活こそが、子どもにとって何よりもいちばん大事なものなのです。
そして、苦手なことには目をつぶる代わりに、その子のいいところをほめて伸ばすことに全力を注いでください。

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