篠原先生

2017.12.15

男の脳、女の脳

「どうして男って」「なぜ女は」と思うことが結構ありますよね。
そのわけは、ひょっとするとそれぞれ脳の得意分野が違うからかも!? 
今回は、そんな男と女の脳のお話です。

空間認知課題

問題
【A】にあって【B】にない図形はどれでしょう?(制限時間は20秒)

【A】

【B】

こういう問題は男性のほうが得意です。
もちろん、どの男性とどの女性を比べても、女性より男性が得意、というわけではなく、相応の人数で男女差を見れば、統計的に意味のある差が出てくるということです。

この問題や、さいころの展開図問題や、迷路課題など、空間的に事物を把握することには脳の頭頂連合野がかかわります。
特に右脳の頭頂連合野が空間的な認知にかかわります。
たとえば幼児期の迷路課題では、男の子のほうが右脳の頭頂連合野の活動が目立ちます。

表情読み課題

一方、女性のほうが成績のいい課題も知られています。
目と眉毛の部分だけを長方形に切り取った写真を見せ、その表情から、「おどけている」のか、「慰めようとしている」のか、「いらだっている」のか、「うんざりしている」のかを読み取って選択する課題では、女性のほうの成績がいいことが知られています。もちろん統計的な話ですが。

このような男女差が現れる理由について、左右の脳をつなぐ脳梁(のうりょう)が女性のほうが太いからだとか、女性の前頭葉が厚いからだとか、そもそもシナプスの種類からして違うだとか、文化のせいだとか、種々指摘されています。
最近では生物学的な脳の差に起因するのだろうというのが優勢ですが、十分わかっているわけではありません。

しかし、女性のみなさん、何にしても差があるわけなので、みなさんの旦那さんを、「わたしの気持ちをわかってくれない」などと責めないでください。
「まさか」とお思いでしょうが、あれで全力、あれがめいっぱいです。
あんな程度で、みなさん方の表情を読み、気持ちを察した気になっているのです。
また、あれで、自分のむっとした表情を隠しているつもりでいます。
どう見ても怒っているのに、怒った自分を隠したつもりでおり、しかも、怒りをコントロールした自分にうっとりしていたりするのです。

みなさん、くれぐれもあの生き物が、みなさんと同じように人の表情を読んだり、空気を読んだり、そういうことができるはずだなどとゆめゆめ思わないでください。
その点では、あわれな生き物と思し召して、やさしく見守ってあげてください。

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