篠原先生

2017.12.15

からだあそびは脳を育てる

子どもは身体を動かすのが大好きで、つき合う親も楽じゃない、なんて感じることがありますよね。
けれど、今月のお話を読めば、そんな疲れも吹き飛ぶこと請け合いです。

からだあそびページとは

『ポピっこドリるん』にはからだあそびのページがあります。
「からだであそぼう『てを たたこう!』(きいどり9月号)、『しゃくとりむし もーぞもぞ』(あかどり9月号)」、「トライ『ゆびうんどう』(あおどり9月号)」等々です。
このページは息抜きのページでもなければ、気分転換のページでもありません。
幼児期の脳を育てるうえでもっとも重視すべきページのひとつです。

※この記事は、2006年に作成されたものです。

からだルートとこころルート

幼児期の脳は前頭葉外側部が急速に育つプロセスにあります。
こめかみからそのやや上にいたるあたりの脳、知的活動の中枢です。

ここは、運動野など前頭葉外側部の後ろ側からやってくる「からだルート」と、扁桃体や島など下側からやってくる「こころルート」に挟まれた位置にあり、からだとこころを統合しています。

ですから、知の中枢を育てるには、知的活動ばかりではなく、「からだからの刺激」や「こころからの刺激」、さらに「からだへの出力」「こころへの出力」がその発達のために欠かせないのです。

もちろん、からだを動かすことは、気分を変え、リラックスするのに適した、強力でお手軽な方法です。
また、よくからだを動かすことは質のいい睡眠を保証し、脳を育ててくれます。
その上、知の中枢を直接育ててくれるのですから、からだあそびはわずか一ページであっても、『ポピっこドリるん』の中核ページです。

知の中枢が活性化

図1:カニ歩き実験風景

図2:カニ歩きをしているときの脳活動。前頭葉外側部が活動しています。

論より証拠。図1、2を見てください。

図1は、カニのまねをして横歩きをしているときの脳を調べている風景です。
『ポピっこドリるん』で推奨しているようなからだあそびを実験的に再現していると思ってください。

図2はそのときの前頭葉の活動状態。
左右の赤い部分が前頭葉外側部です。
赤くなるのはその場所が活性化していることを示しますから、
このカニ歩きで、見事に前頭葉外側部が活動しているのです。

「知の中枢」がからだあそびで活性化、妙な感じがするかもしれませんが、これが事実です。

脳が現実と折り合いをつけていくために

「からだ」はお子さんの脳にとってはじめての「他者」です。
空想の中では仮面ライダーのようにバック転が出来ても、現実には出来ない。
自分の一部でありながら、そう簡単には制御できない。
からだあそびは、知の中枢が、現実と折り合いをつけていくもっとも有効な道筋でもあります。
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