篠原先生

2017.12.15

鉛筆を使ったほうがいい

手書きをしなくなったので、とっさに漢字が書けなくなった、なんて話をよく聞きますが、今月は、手書きについてのお話です。漢字を忘れないどころではない効用がありますよ。

メール 対 手書き

図1 : メール

図2 : 手書き

以前、手紙をメールで打つときと、手書きのときの前頭葉活動を比較したことがあります。
図1がメール、図2が手書きです。

図は向かって右側が、左前頭葉です。
各図の左下の小さな図に対応しています。
グラフ線が3本ありますが、とりあえず赤い線だけを見てください。
それで、図1と図2の囲った部分を比べます。
メールのほうはあまりグラフが動いておらず、手書きのほうは高くなっているのがわかると思います。

このグラフの赤線は、酸素化ヘモグロビン量の変化を示していて、脳のその場所が活動すると酸素化ヘモグロビン量が増えるので、手書きのほうが左の前頭葉が活動していることを示しています。

ここはワーキングメモリの中枢で、脳トレといえば特にここをどう鍛えるかが焦点になりますから、メールを打つよりは手紙を書くほうが脳トレーニングになりやすい、というわけです。

携帯ゲーム 対 手書きゲーム

図3 : 携帯でナンプレ

図4 : 手書きでナンプレ

最近、ナンプレと呼ばれたり、数独と呼ばれたりしているものを、携帯ゲームでやる場合(図3)と、鉛筆書きでやる場合(図4)を比較しましたが、この場合も鉛筆書きが圧勝でした。
お子さんの前頭葉を鍛えたければ、やはり鉛筆を持たせて書き込みさせるべきだと思います。

※この記事は、「ほほえみお母さん&お父さん」2006年11月号に掲載されたものです。

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