篠原先生
開いた質問、閉じた質問
今回のお話は、親子でコミュニケーションをとるときの参考にもなりますよ。
おくってバンバン!
『ほほえみお母さん&お父さん』の“おくってバンバン!”、おもしろいですね。
「おかあさんのすごいところをおしえて!」
「ほかほかしているものってなあに?」
「ぬるぬるしているものってなあに?」
「おばけがきたらどうする?」とか、お母さんに聞かれて、小首をかしげて考えているお子さんの姿が目に浮かびます。
「うどん・ラーメン・そば・そうめん・スパゲティ、このなかですきなものは?」とか、「あ・い・う・え・お・ん、このなかですきなじはどれ?」なんて聞かれたら、お子さんの脳は本当にフル回転することでしょう。
お母さんとのコミュニケーションのいいきっかけにもなります。
なにより答えることが楽しそう。
きっとお子さんのドーパミン神経系が活発に働き、やる気の回路がぶん回りすることでしょう。
閉じた質問は基礎を養う
ところで、この“おくってバンバン!”のような質問を「開いた質問」といいます。
特に正解があるわけではなく、その質問を起点に発想が広がっていく、考えが開いていく質問だからです。
一方、「3+4=?」とか、「関ヶ原の合戦は何年?」とか、「ばらを漢字で書くと?」とか、「水は何でできている?」とか、正解があるタイプの質問を「閉じた質問」といいます。
正解の方向に思考が収斂(しゅうれん)していくからです。
そして、わたしたちは「閉じた質問」に正解を出せると「頭がいい」と思いがちです。
たくさんものを知っていて、さくさく答えられる大人や子どもを、「賢い」と思いがちです。
たしかにたくさんものを知っていたり、やり方を知っていたりすることは大切です。
知識なくして、自由な発想をせよといっても材料がなければ、貧困な発想しかできません。
世の中の常識や基礎学力なくしては、ゆとり教育もなりたちません。
脳でいえば知識は、後頭葉、側頭葉、頭頂葉などに蓄えられます。
この蓄積なくして前頭葉だけが働いても、ただの妄想、もしくはパニックです。
開いた質問でやわらかな発想力を
しかし、知識がいくら豊富でも、それらを素材にして自由にのびやかに発想する力は、小さいうちにこそ鍛えておきたいところです。
脳でいえば、後頭葉、側頭葉、頭頂葉の接合部にあたる角回。
ここは視覚、聴覚、動きの情報を統合するところで、比ゆの理解にもかかわります。
それから、記憶や情報を組み合わせて何らかの答えを出すワーキングメモリの中核、前頭葉。
これらを刺激し、豊かな発想を生み出す方法の一つが「開いた質問」。
“おくってバンバン!”のような答えのない質問です。
こういう質問をきっかけにして、親も考える、子どもも考える。
それがポピーの狙いです。
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