親野智可等先生の子育て診断テスト

2017.12.08

毎日の音読に飽きてしまいました。あなたならどうしますか?

毎日の宿題で国語の教科書の音読が出て、やったら音読カードに書くことになっています。
10日以上同じところを読んでいるので、すっかり上手に読めるようになり、もう子どもは飽きてしまいました。
あなたならどうしますか?

【A】 たとえ飽きてしまっても、点や丸を意識させて、ゆっくり読ませる


【B】 スピードを上げて速く読ませる

【C】 読んでいなくても読んだことにして、音読カードを書いてあげる

診断結果

【A】たとえ飽きてしまっても、点や丸を意識させて、ゆっくり読ませる

点で少し切って、丸で少し休んで、というようにゆっくり読むことは音読の基本です。
でも、ずっとそれだけやっていればいいというわけではないのです。
もっと上の段階の読み方があります。
それがBです。

【B】スピードを上げて速く読ませる

ゆっくりで上手に読めるようになったら、だんだん速く上手に読めるように練習するといいのです。
上手にとは、一つには「間違えないで正しく」ということです。
もう一つは、「はっきり滑舌よく」ということです。

【C】「読んでいなくても読んだことにして、音読カードを書いてあげる

問題外です。

解説

音読は、「正しく、はっきり、ゆっくり」から、「正しく、はっきり、速く」読むへ
スピードを上げて速く読むことで、滑舌がよくなり黙読の能力も上がります。
いちばんいいのはです。

ある程度の声の大きさで、「正しく、はっきり、速く」読むのが音読の一つの理想です。
こういう読み方を、わたしは「アナウンサー読み」と呼んでいます。
その前の段階として、「正しく、はっきり、ゆっくり」があるのです。
いずれにしても、「正しく」と「はっきり」は絶対に必要です。

でも、ほとんどの音読の指導が「正しく、はっきり、ゆっくり」の段階に終始しているようです。
「速く読む練習をしなさい」という先生は極めて少ないと思います。

その理由は、うっかり子どもに「速く読むのも必要だよ」とか「正しく、はっきり、速く読もう」などと言うと、子どもは「速く」ばかりに気持ちがいってしまって「正しく」と「はっきり」を忘れてしまうからです。
家で読むときも、先生が「速く読めって言った」ということで「いい加減な速読み」になってしまいます。

でも本当は、アナウンサー読みの練習をすることには大きな価値があります。

まず一つめは、滑舌がよくなるということです。
これについては、すべてのアナウンサーが証人です。

もちろん、「正しく、はっきり、ゆっくり」読むことが滑舌をよくするための第一段階として必要です。
でもそれだけに終始していては、負荷が少なすぎて効果も出ません。
ですから、アナウンサーは早口言葉の練習をするのです。

二つめとして、瞬時に多くの量の文字をとらえる能力が育つということです。
これは、黙読を上手にするためにとても大事な能力です。
同時に、初めて見る文章をスラスラ音読する能力にもつながります。
なお、この能力を養うことに特化するなら、先ほど触れた「いい加減な速読み」も大きな効果があります。

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