親野智可等先生の子育て診断テスト

2017.12.07

親のすすめることに「イヤ」と言う子。どう思いますか?

A子さんは3年生のときから釣りに夢中で、暇さえあれば男子の友だちと釣りに行きます。
5年生のとき、親がA子さんに中学受験をすすめたら、「釣りに行く時間がなくなるから、絶対イヤ」と言われてしまいました。
6年生になって、「中学で困らないように英語の塾に行っておこう」とすすめたときも、「絶対イヤ」と言われてしまいました。あなたはどう思いますか?

【A】「イヤ」と言えるのは素晴らしいことだ


【B】 親子の信頼関係がないので、子どもが素直になれないのだ

【C】 子どもの将来のことを考えたら、親の言うことを聞かせるべきだ

診断結果

【A】「イヤ」と言えるのは素晴らしいことだ

自分の意志をしっかり持っている子は、大変有望です。と同時に、非常に貴重です。
自分のやりたいことがある、自分の世界がある、自分の進みたい道がある、そういう子は自分の人生をたくましく生き抜きます。
いつも親に従っている子、親の顔色ばかり見ている子、「イヤ」と言えない子、そういう子は言われたことしかできない大人になります。

【B】親子の信頼関係がないので、子どもが素直になれないのだ

親子の信頼関係があるからこそ、子どもは「イヤ」と言えるのです。
子どもが「イヤ」と言うこともできない、いやいやながら従っているけど心では親を恨んでいる、そういう面従腹背の関係がよくない結果をもたらすことにもなります。

【C】子どもの将来のことを考えたら、親の言うことを聞かせるべきだ

このような考えの強い親に育てられると、子どもに真の自主性は育ちません。
今このような考えの親がとても増えているようで、心配です。
特に、勝ち組負け組という言葉が流行り出した頃からこの傾向が強くなったようです。
中学受験ブームも、その表れの一つです。

解説

自分自身の人生を歩める子どもに
嫌なものを「イヤ」と言えるガッツこそが、生きる力です。
いちばんいいのは、Aです。

ずっと親の言うことを聞いてやってきた子が、ある日突然ポッキリ折れる例がたくさんあります。
受験勉強や習い事をイヤと言わずに頑張ってきた子が、急にすべてを投げ出したり、一切やる気をなくしたり、親に猛反発したり、不登校になったり、夜間徘徊したり、家出をしたり、自室に閉じこもったり、自傷行為に及んだり……という例がたくさんあるのです。

子どものうちに爆発して、ため込んだものを吐き出せる子はまだいいほうです。
大人になってからその反動が出ると、もっと大変なことになると思います。

自分のやりたいことがある、自分の世界がある、自分の進みたい道がある、ぜひ、そういう子に育ててください。
このような生き方を身に付けさせることこそが教育です。

自分自身の人生を生きていくことは、大人になって急にできるものではありません。
子どものときから身に付けてきた人だけが、そのように生きられるのです。
育ち方が生き方につながっていくのです。

中には、いまだに「男の子ならそれでいいけど、やっぱり女の子は……」という考えの人もいるようです。
でも、この問題文のように、女の子も自分の意志を持って自分の人生を生きていくことが大事です。
その点において、男も女もないのです。

親のおせっかいに「イヤ」と言えるガッツこそが、生きる力です。
社会に出てからも、ペーパーテストの点数だけよかった人が、ガッツのある人にかなうはずがありません。

わたしは、どの子にも自分自身の人生を生きてほしいと心から思います。

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