親野智可等先生の子育て診断テスト
登校直前に 「絵の具セットがない!」という息子にどうしますか?
朝の登校直前になって、5年生の息子が「絵の具セットがない!」と言って探しています。
なかなか見つからなくて、時間がどんどん過ぎていきます。
あなたならどうしますか?
【A】ここで手助けしないほうが本人のためになるから、一緒には探さない
【B】一緒に探す
【C】絵の具セットが見つからなくても、登校させる
診断結果
【A】ここで手助けしないほうが本人のためになるから、一緒には探さない
Aは、「困って懲りれば、これから気をつけるだろう」という考えです。
でも、実際それで子どもが成長することは、まずありません。
それに困ったとき助けてもらえないと、「自分は親に受け入れられていないのではないか?愛されていないのではないか?」と感じるようになります。
【B】一緒に探す
こういうときは、一緒に探してあげるのが人の道です。
まず、助けて安心させてあげてください。
その後で、前の日に支度ができるようにするにはどうしたらいいか、具体的な生活の改善方法を親子で考えて実行することです。
【C】絵の具セットが見つからなくても、登校させる
Aと同じです。 |
解説
自業自得方式では直りません。
こういうときは、助けてあげるのが人の道です。
いちばんいいのは、Bです。
Aのような考えを、私は自業自得方式と呼んでいます。
これは一見理屈が通っているようですが、実際にこれで子どもがしっかりしてきたという例は見たことがありません。
実際は、同じ失敗を繰り返して叱られ続けるだけです。そして、自分に対する自信がなくなっていきます。
同時に、助けてくれない親に対する信頼もなくなっていきます。
さらに、自業自得方式で育てられている子は、友だちにもその考えで接するようになります。友だちが困っていても、「自分のせいだから仕方がない」と考えるようになるのです。つまり、友だちへの思いやりや優しさを育てることもできないのです。
大人でもそうですが、特に子どもにとって、自分の苦手を直すことは本当に難しいことです。親子で生活システムを改善しながら、長期間にわたってじっくり取り組むことが必要です。「放っておいて自分で困れば直る」というのは、実際にはあり得ない空論にすぎないのです。
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