ヒゲおやじ先生の脳コラム

2017.12.06

頭を使うことが好きになってほしい

親はつい「もっと上手に!」を子どもに求めがちですよね。
でも、ちょっと待って。
その前にとても大切なことがありますよ、という今回のお話です。

幼児期に身につけておきたいこと

子どもの脳の発達にとって必要なのは、何といっても、ちゃんと食べてちゃんと寝ることです。
それから、頭を使うこと、体を動かすこと、人とかかわること。
当たり前のことですが、これらが脳を育てます。
そして幼児期で獲得しておきたいことは、頭を使うのがうまくなることでも、体を上手に動かせるようになることでも、人とかかわることがうまくなることでもありません。
そういったスキルの獲得ではなく、頭を使うのが好きになること、体を動かすのが好きになること、人とかかわるのが好きになることです。
こういうことが好きになることこそ、幼児期に身につけておきたいことで、これが成し遂げられていれば、いずれスキルはついてきます。
学校に入ってもそう困ることは起きません。
逆にガンガン鍛えてスキルを得たのはいいが、これらが嫌いになってしまったら元も子もありません。

頭を使うとはどういうことか?

今回は、そもそも「頭を使う」とはどういうことなのか、子どもが頭を使うのが好きになるために、親が知っておくべきことは何なのかを考えてみたいと思います。
ここでいう「頭を使う」とは、この連載ではおなじみのワーキングメモリを使うことです。
ワーキングメモリは脳のメモ。
一時的に脳に記憶して(メモリーして)、そこに作業(ワーキング)を加える、記憶と作業の組み合わせ、これがワーキングメモリです。
ここで問題です。
4桁の数字を頭に浮かべてください。
よろしいですか?

まあ、まじめなみなさんならそんなことはないと思いますが、1234とか、3333とか、7777とかは勘弁してくださいよ。
バラバラな四つの数字を思い浮かべてください。
いいですか?

……ではその4桁の数字を逆から言ってみてください。

わかりますか?
これがワーキングメモリです。
みなさんは4桁の数字を一時的に記憶しました。
そして逆から読みに行くという作業を行いました。
メモリーとワーキング、ワーキングとメモリー、その組み合わせがワーキングメモリです。
そしてこの力が思考力の基礎であり、いわゆる頭の良さに直結します。

できないほうがトレーニング

ここでみなさんに知っておいてほしいことがあります。
それは「できないほうがトレーニング」だということです。
わたしたちはつい「できる」ことを追い求めてしまいます。
たとえば、今の問題なら、4桁よりは5桁できるほうがいい、できれば7桁の方がいい、10桁できたらそれに越したことはない、つい、そう考えがちです。
その考え方も間違いではないのですが、しかし、教育やトレーニングを考えるときには間違いになります。
たとえば、こういう問題だと20桁ぐらいできる人がたまにいます。
すごいことですが、しかしこの人はある意味不幸です。
何が不幸かというと、その人の脳を調べると十数桁になってこないと活性化してこないのです。
4桁ではフラットもいいところ。
しかし、たった4桁でアップアップの私たちは4桁で真っ赤、脳は十分活性化します。
言ってしまえば当たり前のことですが、「できないほうがトレーニング」です。
「できないであがくのがトレーニング」です。

親が知っておくべきこと

わたしたちは子どもにできるようになって欲しい。
だからできることを求める。
でもできないであがいているときに子どもの脳は活性化しているのです。
伸びようとしているのです。
そのことは肝に銘じてください。
そうしないと、子どもが自分のワーキングメモリの力を超える頭の働かせ方をして、苦しんでいるとき、何とか乗り越えようとあがいているときに、子どものやる気をそいでしまいかねません。
「できないほうがトレーニング」。
呪文のようにくり返して、子どもたちのあがきをやさしく見守ってあげてください。
それが、頭を使うのが好きな子どもを育てるコツです。
子育てが好きになるコツです。

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