親野智可等先生の子育て診断テスト
ゲーム機を買ってほしいと言われたら?
わが子A男が、ゲーム機を買ってほしいと言っています。
「ゲーム機で遊ぶより、もっといろいろなことに興味を持ってほしい」と言ってはみたのですが、「友だちもいとこたちもみんな持っている。一人だけ持っていなくて話に入れないのでつまらない」「みんなゲームの話を楽しそうにしているのに、全然入れないのでさみしい」と言います。
あなたならどうしますか?
【A】約束を決めて買ってあげる
【B】「わが家の方針として買わない」とはっきり宣言する
【C】ゲームをやらない友だちと遊ぶように言う
診断結果
【A】約束を決めて買ってあげる
周りの子がみんな持っていて一人だけ持っていないとき、子どもはどんな気持ちになるのでしょうか?
それは、子どもの性質でかなり違ってきます。
それほど気にならない子もいます。でも、耐えきれないほどつらいという子もいるのです。
後者の場合、ゲーム機を持っていないことが原因で、友だちづきあいがうまくいかなくなるということもあります。
そうなるくらいだったら、買ってやったほうがいいと思います。
A男君は後者の場合に当てはまるようです。
【B】「わが家の方針として買わない」とはっきり宣言する
親の教育方針がしっかりあれば、「わが家の方針として買わない」というのは素晴らしいと思います。
ただし、同時に次のことが必要になります。
1)その方針について子どもが心から納得できるように話す
2)ゲーム以外の豊かな時間を過ごせるように支援する
3)子どもの友だち関係について十分な配慮をする
4)その方針がわが子に合ったものか見極める
しかし、このA男君には合わないようなので、Bは○ということにします。
【C】ゲームをやらない友だちと遊ぶように言う
これは、子どもにとってかなり難しい要求だと思います。
子どもといえども、波長の合う合わないがあり、そう簡単に気の合う友だちが新しく見つかるはずはありません。
解説
ゲームのルール決めは、失敗がつきもの。
わが子の性質を考えて決めることが必要です。
いちばんいいのは、Aです。
わたしは、ゲームについてきちんと約束を決めることがとても大切だと思います。
何も約束がないと、際限なくやってしまうことになりかねません。
生活の大部分の時間をゲーム機の前で過ごす状態が、子どもの成長にとっていいはずがありません。
約束を守りながらゲームを楽しみ、ときに約束が守れずに一週間の禁止命令を受けたり、もう一度親にお願いして新しい約束のもとに許可してもらったり、などという試行錯誤を繰り返していけばいいのです。
こうやって、子どもは自分に合ったゲームとのつきあいかたを身に付けていきます。
毎日少しずつやったほうがいいという子もいれば、土日にまとめてたくさんやったほうがいいという子もいます。
自分でそういうことに気付いていくのです。
この試行錯誤が、自分の欲求をコントロールする方法を身に付けるのに役立ちます。
つまり、ゲームとのつきあいかたを身に付ける過程で、自分の欲求とのつきあいかたを身に付けることもできるのです。
ですから、この試行錯誤の過程を大事にしてください。
約束を守れなかったときに、感情的に叱りつけたり再チャレンジを一切認めなかったりということでは、子どもの成長には役立ちません。
親の役目でいちばん大切なのは、ゲームとのよりよいつきあいかたを子どもに考えさせることです。
場合によっては、ヒントを出したり一緒に考えたりしてあげることも必要です。
試行錯誤には失敗がつきものですから、感情的にならずに粘り強くやってください。
試行錯誤の過程自体がいい経験なのです。
これを、ゲームへの欲求をコントロールする「ゲーム」だと思って楽しんでください。
また、ゲーム以外にも豊かな時間が過ごせるようにしたり、親子の触れ合いの時間を増やしたりすることも大切です。
これらがしっかりしている家庭の子は、ゲームだけにのめり込むということはありません。
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