ヒゲおやじ先生の脳コラム

2017.12.01

手作りはこころを込めて

今回は、 6~7ページのテーマおたよりに関連したお話をいただきました。
手作りや日ごろの家事の手作業は、脳にとっても「ビバ!」といえるもののようですよ。

※この記事は、「ほほえみお母さん&お父さん」2013年11月号に掲載されたものです。

手作業と脳

今月のおたよりのテーマは「ビバ!手作り」だとか。今回は手作業と脳の関係についてお話しします。 まずは図1の一番右。これは右利きの人が包丁を使って料理をしているときの脳活動です。赤くなっているところが脳が活性化しているところ。前頭葉を中心に活性化しているのがわかります。次は窓ふき、その次がボタン付けです。こんなふうに手作業は脳を活性化させます。 一方で一番左の図はボーっとテレビを見ている時。有酸素運動や筋トレのような運動らしい運動が脳を守ることはよく知られていますが、最近の研究で、こうした家事のような日常的な運動が、スポーツ的な運動とは独立に認知機能低下予防に役立つことが報告されていますから、まさに「ビバ!手作り」。手作業はあなたの脳を守ってくれます。

面倒なやり方がよい

図2は上も下もどちらも「にんじんの皮むき」中の脳活動です。いずれも上方が前頭葉側です。 同じことをしているのに下の図の方が前頭葉が活性化しています。 実は上の図はピーラーでの皮むき、下の図は包丁での皮むきです。面倒なやり方の方が脳は活性化しやすいのです。 ただし、包丁づかいが上手で鼻歌交じりで皮がむける奥様方はこの図が逆転します。 脳は手作業で活性化する傾向にありますが、手慣れてくると鎮静化する傾向もあるのです。初めてのこと、慣れないことでは脳は様々な脳のネットワークを活性化して対応しようとします。そして慣れてくると鎮静化して、楽に作業できるようになるのです。 面倒なやり方が脳を活性化させますが、しかし、その面倒くささとは、はたから見た面倒くささではなく、自分にとっての面倒くささ、主観的な面倒くささが脳を鍛える上では大事なのです。

こころを込めよう

今度の図3はいずれも「キャベツの千切り」をしています。しかし下の方が前頭葉が活性化しています。上はいつものように千切り、下は「こころを込めて」千切りしています。 机の上を拭く場合でも、掃除機をかける場合でも、運動するときでも、勉強するときでも、適当にやる五分と心を込めた五分では脳活動が違うのです。 こころを込めると細部にまで意識が行って脳が活性化します。そしてこころを込める分、慣れも速く脳が鎮静化してパフォーマンスが高まります。そこでやめればそこ止まり。もっとこころを込めると脳が活性化し、また鎮静化してさらにスキルアップしていく。 こころを込めることこそ「脳トレ」の王道です。
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