ヒゲおやじ先生の脳コラム

2017.12.01

脳には出力が大事です

子どものやることに、つい手を出してしまうことがありますよね。それが今回のお話で、ちょっと待ってみようかなと、自分の行動も変わってくるかもしれませんよ。

自分で作る、自分でする

今月号の「てしごと*めしごと*はなしごと」(p.9)は、子どもたちを中心に料理を作るコーナーです。最初は、子どもを主役として盛り立てながら、お母さんが全面サポートということになるでしょうが、子どもが主役で何かを作る、何かをするということは大事なことです。

※この記事は、「ほほえみお母さん&お父さん」2014年5月号に掲載されたものです。

ひたすら覚えると覚えた気にはなる

こんな実験が報告されています。科学論文を5分間読んでもらい、その後10分間学習の時間をとり、1週間後にどれだけ覚えているかを調べます。このとき、被験者を四つのグループに分けます。 グループAは、5分間科学論文を読んだ後、10分間、その論文を繰り返し読みます。ひたすら覚えようとするわけです。
グループBは、10分間でまとめを作ります。ノート術の基本のような方法です。
一方、グループCは、科学論文の読後、その中身について自由にエッセイを書きます。学習というより創作活動をするわけです。
グループDは、10分間の学習はなしです。
それから1週間後、まずは科学論文の中身をどの程度覚えているか、その自信の程度を聞きます。すると、10分間繰り返し読んだAの人たちが一番自信を持っていました。繰り返し読むといういかにも学習的なことをしたので、その分、覚えているはずだと思うのでしょう。次がBで、自由にエッセイを書いたCは一番自信がなく、10分間の学習をしていないDより自信がないくらいでした。

ひたすら覚えるより、使った方がより覚える

しかし、科学論文の内容を一番覚えていたのは、なんと、この自信のないCの人たちでした。自由にエッセイを書いた人たちがもっとも中身を覚えていたのです。
AやBの人たちは、直後の学習をしないDの人たちよりはるかに内容を覚えており、以前ご紹介したように直後の学習の大事さは示されましたが、しかしその成績はCには及びませんでした。
ひたすら覚えよう、まとめようとするより、その内容を使ってみる、内容を使って文章を作ってみる、理屈を立ててみる、その方が中身をよく覚えられるのです。

行動をほめるのが やる気づくりの近道

人の脳は、入力よりは出力を優先します。使ったこと、表現したことは大事だと捉え、よく覚えられるようにできているのです。
また、やる気や意欲の中核である脳の線条体(せんじょうたい)は、行動のスイッチングや行動のコントロールにかかわると同時に、快を感じると活動を高めます。行動と快感を結びつけ、やる気や意欲を生み出すのが線条体です。
子どもたちが上手に出来なくても挑戦したことをほめ、立ち向かう姿勢をほめることが、チャレンジ精神を育むことにつながります。

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