ヒゲおやじ先生の脳コラム

2017.12.01

はめ絵で創造力を鍛えましょう

「おくってバンバン!」でときどき募集するはめ絵。これが創造性を高めるとお聞きして、今回くわしくお話しいただくとともに、今号でも募集することになりました。

※この記事は、「ほほえみお母さん&お父さん」2014年9月号に掲載されたものです。

はめ絵と創造力テスト

今月号の「おくってバンバン!」の出題は、「この形を使って、絵をかこう!」で、「<」の形を使って絵をかいてもらいます。これを「はめ絵」といいます。
「はめ絵」は「創造力テスト」でよく使われます。不完全な図形を示して何枚か絵を完成してもらい、アイデアの量、質、独自性、入念性(完成度)を調べます。
たとえば、下の絵を示して完成してもらい、その独自性や入念性を見ます。何枚かかいてもらえば、アイデアの量的豊富さや、それがどんなカテゴリーに広がっているかで質的な豊富さを見ることができます。

子どもにはめ絵をさせるとき

子どもにはめ絵をさせるときにも、方法がふたつあります。今回の「おくってバンバン!」のように、一枚の絵の完成を目指す方法と、何枚も次々とかかせる方法です。
子どもの創造性を高めるために「はめ絵」をさせるなら、まずは同じ図形で何枚もかかせることです。「今度は違う絵をかいてみよう」をくり返すわけです。
そして10枚程度かかせたら、品評会。気に入った作品を二つ選びます。そして、それぞれをあらためて完成させます。
アイデアの独自性は素質に属すると思われがちですが、アイデア出しの手順を覚えれば、だれでもそこそこの数や質を出すことが出来ます。「それと違うの何かないかな」をくり返せばいいわけです。そしてその中で、普通ではない発想のものを選べば、だれでも独自の発想に至れます。そこから完成を目指せば、独自で入念なアイデアが生まれます。
会社のアイデア会議でブレーンストーミングを行って、それからアイデアを高めていく手順と同じです。

物語を作ろう

下のような絵を見せ、物語を語らせることで創造性を調べる場合もあります。

この絵を見て、「どうしてこの子は、こんなことをしているのか」などを想像で語ってもらい、アイデアの量や質、独自性、完成度などを調べるわけです。いずれもトーランスの創造性テストを参考にしたものですが、テストとしてではなく、創造性開発問題としても使えます。
こういう絵を見て親子で物語を作りあえばいいわけです。たとえばお母さんが少し物語を作り、その続きを子どもが作り、またお母さんが……と双方向で行っていけば、「はめ絵」と同じように創造性を高める訓練にもなるわけです。

読み物も利用できる

ポピーには読み物がついていますが、読み聞かせに利用するだけではなく、どこかで立ち止まって、この先どうなると思う、などと問いかけても創造性が刺激できるわけです。あるいは、物語を離れ、昔読んだ読み物の一ページを見せて、「どうしてこの子は、こんなことをしているんだろう」と聞いてみるのもいいですね。
その時、物語を覚えているのかを問う問題なら「答え」が存在しますが、創造性訓練では「答え」などなく、むしろ本来の物語の筋にこだわることなく、どれだけ豊富にストーリーを生み出せるかがポイントになるわけです。
アメリカの調査では、一方的な読み聞かせではなく、問いかけを多用した双方向の読み聞かせを幼児期に行うことによって、子どもたちの知能(IQ)が伸びることが示されていますから、創造性だけでなく知能も伸びるわけです。
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