ヒゲおやじ先生の脳コラム

2017.12.01

よい育て方は子どもの知的能力をUPするのか?

今回は、ちょっとドキッとするタイトルですがご安心を!「子どもと一緒に」を日ごろから心がけているみなさんの子育ては、確かな実を結ぶというお話です。

幼児ポピーでは親子で一緒にポピーをすることをおすすめしています。また、子どもに寝る前に読み聞かせをしたり、一緒に話す機会を多くしたり、夕食を一緒に取ったりといった、いわゆる「よい養育」をする家庭を増やしたいと思っています。よい養育は子どもの人としての力を育て、学力を育て、人生を育てると思っているからです。

親の養育態度と知能は関係ない?

しかし、最近、フロリダ州立大のケビン・ビーバーらは、養子を対象とした研究で、親の養育の仕方と、中高校生ころ、18歳、26歳での知能(IQ)との関係を検討し、親の養育態度と大人になってからの子どもの知能に、なんの関係も見出せなかったことを報告しました。 彼らによれば、これまでの研究は実子対象が多く、遺伝の影響が強かったのではないかというのです。もともと、社会的に望ましい行動をとろうとする傾向(一般性格因子といいます)が強いほうが知能が高いことが知られていますから、社会的に望ましいとされている「よい養育」を行おうという傾向が強い親は総じて知能が高く、結果、よい養育を行う親の子は知能が高くなるといった傾向が見出されてきたのではないか、というのです。 また、知能の遺伝率(遺伝子の組み合わせによってIQテストの散らばりが説明される率)は、たとえばロンドン大のハワースらの研究によれば、9歳で41%、12歳で55%、17歳で66%と、成長につれ高まっていきますから、よい養育を行っている親の子は知能が後伸びしたように見えたのではないか、というのです。

※この記事は、「ほほえみお母さん&お父さん」2015年3月号に掲載されたものです。

特に幼児期の親の養育態度がだいじ

しかし、一方で、実子であってもよい養育を行っていないと知能が高まっていきませんから、よい養育はやはり大切です。
たとえば、アメリカには The Database of Raising Intelligenceという知能研究のデータベースがあり、知能の向上を目指してデザインされたランダム化比較試験による研究が蓄えられています。ランダム化比較試験とは、被験者を何らかの介入を行う実験群と、介入を行わない対照群とにランダムに振り分け、その結果を比較する実験研究で、証拠のレベルが高いと見なされる研究です。
ニューヨーク大のプロッツコらは、このデータベースを使って、知能の向上を目指した幼稚園までの介入実験のほぼすべてについて検討し、幼稚園、保育園に通うこと、早期教育を行うこと、双方向読み聞かせを行うことなどが幼児の知能を伸ばすと結論付けています。
また、ペンシルベニア大のローソンらは、同じような生活レベルの家庭で育った64人の子どもを対象に、4歳のとき、8歳のとき、18、19歳になったときに彼らの認知機能調査や脳スキャンを行ったところ、4歳のときに本や知育玩具を与えられ、動物園や遊園地などへ連れて行かれた子どもたちは、そういうことをされていない子どもたちに比べて、言語テストの得点が高く、左脳の発達が優れていたそうです。またこの介入は8歳では効果がなかったそうです。

幼児期こそ家庭教育五訓

少なくとも、よい養育を行おうとする親の実子は、幼児期のよい養育によって知能を伸ばすことができるわけです。

一、親は、まず、くらしを誠実に
二、子どもには、たのしい勉強を
三、勉強は、よい習慣づくり
四、習慣づくりは、人づくり
五、人づくりは、人生づくり

これは、全日本家庭教育研究会、初代総裁の平澤興先生の「家庭教育五訓」です。ポピーは、この家庭教育五訓を理念として教材を制作し、みなさんにお届けしているわけですが、これから先もさまざまな研究がこの五訓の正しさを示していくことでしょう。

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