ヒゲおやじ先生の脳コラム

2017.11.16

おうちの方がかかわると、お子さんの脳の働き方も変わります

『ポピっこ』監修の篠原先生が、毎回、脳を育てるヒントをくださるコラム。

今回は、実験でも実証された、親子で『ポピっこ』をする大切さのお話です。

『ポピっこ』は、まずは親子で

幼児ポピーでは、2~3歳向けの『ももちゃん』はもちろん、年少向けの『きいどり』、年中向けの『あかどり』、年長向けの『あおどり』でも、まずは親子で一緒に学習することをお勧めしています。幼児期に楽しい親子遊びの時間を過ごした子どものほうが、17、18歳になったとき、自尊心が高く、注意力も高かったという報告もありますし、双方向で行う読み聞かせが子どもの知能を伸ばすことも報告されています。ですから、親子で「楽しく」「遊ぶように」「双方向で」ポピーを行うことが、子どもたちの将来にとって役立つと考えてのことです。しかし、知的活動の基礎もしっかりつくっていくことを目指す『ドリるん』は、ひとりで取り組んでこそ、知的能力が向上するのではないか、手助けなしで自力で考えてこそ、頭がよくなる、ならばひとりでさせたほうがいいのではないか、といった疑問もわいてきます。

親子でポピーを行うと脳では何が違うのか?

幼児ポピーでは毎年、ポピー教材を使っているときの子どもたちの脳活動を調べています。2016年の夏は、この「親子で一緒に」と「子どもひとりで」ポピーに取り組んだときの脳活動の比較をテーマとしました。親子で『ドリるん』を行う場合と、子どもがひとりで『ドリるん』を行う場合で、脳活動に何か違いがあるのかを調べてみたのです。

使った教材は、「迷路」「かず」「運筆」などでした。同じような課題を2セット用意して、半分の被験者には「ひとりで」→「親子で」の順、残り半分の被験者には「親子で」→「ひとりで」の順で『ドリるん』に取り組んでもらいました。

「創造力」が発揮しやすくなる

さて結果です。下の脳の図は、『ドリるん』に親子で取り組んだときと、ひとりで取り組んだときの脳活動の測定結果の一例です。スタート直後、図の赤丸の側頭頭頂接合部という脳部位で活動に差が見られました。

側頭頭頂接合部は、裏の意味を読むことや、想像力、創造力にかかわる脳部位です。ここが損傷すると比喩が理解できなくなり、言われたままの意味しか理解できなくなってしまいます。 今回の実験全般で同様に、ひとりで『ドリるん』を行っている場合より、親子で行った場合のほうが、スタート直後の側頭頭頂接合部の活動が高くなる傾向が見られました。
おうちの方が最初に少しかかわることで、お子さんの頭が柔軟に働きやすい状態になり、創造性が喚起されやすくなるようです。たとえば、迷路に取り組むとき、おうちの方が一緒だと、単純に線を引くだけではなく、「こっちに行ったらどうなるだろう」など、いろいろなことを考えるようになります。文字を覚える場合でも、「〝あ〟という字がつく言葉は何かな?」というおうちの方の声かけで、お子さんにいろいろと考えさせることは有効です。おうちの方が少しかかわることで、お子さんの創造力を鍛えられれば、将来、算数の応用問題や自由作文にも強くなります。

楽しく集中できる

5分間『ドリるん』に取り組んだときの全体的な脳活動を見ると、前頭葉の上部、注意の集中にかかわる部位で、活動に差のある傾向が見られました。
前頭葉の上部では、ストレスを感じながら集中するときは右側の活動が高まり、楽しくリラックスして集中できるときには左側の活動が高まる傾向にあります。

そして、左のグラフが示すように、親子で『ドリるん』をする場合のほうが、左の前頭葉上部の活動が高く、右の前頭葉上部の活動が低かったのです。
つまり、親子で行うほうが、楽しく集中できるのです。

『ドリるん』で伸ばす力は大事

7歳時点での算数や読みの成績が、子どもの将来の社会経済的なステータスに強く影響するという調査結果があります。エジンバラ大のリッチーらは、1958年以降に生まれたイギリスに住む1万7000人について、7歳時点での算数と読みの成績と42歳までに得られた社会経済的なステータスを分析しました。その結果、算数と読みの成績が、生まれた家庭の社会経済的なステータスや現状の知能以上に、大人になってからの社会経済的ステータスに強く影響を与えていたことが明らかになったそうです。
幼児ポピーの『ドリるん』は、算数や読む力の基礎にもなる頭の使い方を直接鍛える問題が満載です。そして、それらの力を伸ばし、そういった頭の使い方を好きになっていくためには、親子で一緒にするのが、創造力を発揮しやすくなり、楽しく集中できるので、よさそうだ、というのが今回の実験結果からの推測です。
いつもひとりで黙々とやっているから安心というお子さんでも、ぜひ最初の少しの時間だけでもいいので、かかわってあげてください。お子さんの頭の働き方も変わってくるし、皆さんの脳トレにもなりますよ。
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