ヒゲおやじ先生の脳コラム
ワーキングメモリが知的能力の基礎
奇数月連載の「脳コラム」で毎回興味深いお話を教えてくださる篠原先生。今月は特別編として、子どもの脳の発達ピークのおさらいと、コラムにもよく登場するもののイマイチよくわからないワーキングメモリについて、お話をお聞きしました。
発達のピークが5歳前にある脳部位とこれからピークを迎えるところ
2008年に出た研究報告で、脳は部位によって発達のピークがおよそ三つのパターンに分かれることがわかりました。5歳前に発達のピークがあるところ、7~12歳くらいがピークになるところ、そして思春期からだらだらと発達するところです。 5歳前にピークがあるのは、顔の表情判断や語彙、好き嫌いや価値判断にかかわるところです。親の顔を覚えて、親から言葉を学ぶと同時に、「何かを知っている」「何かが好き」というアバウトな記憶と好き嫌いを一致させて、「なんとなくこういうことが好き」ということを決めていく。そうした発達をする幼児期は、何かができるようになることではなく、いろいろなことを好きになることが大切なんですね。 『ポピっこ』はそれを考えて、親子で一緒に楽しみながら、頭をしっかり使うこと、体をしっかり動かすこと、人としっかり関われることを好きになる機会を提供しています。 そして、その後の7~12歳くらいがピークになるところは、勉強すること、運動することに強くかかわる部位で、『ポピっこ』でよく出てくるワーキングメモリが含まれます。
ワーキングメモリって何?
では、ワーキングメモリとは何でしょう。一言でいえば、記憶や情報を一時的に保持し、それを組み合わせて答えを出す力で、勉強したり、仕事をしたり、人とコミュニケーションをとったりなど、知的能力の基礎になるものです。とはいえ、これではイメージしにくいですよね。そこで、二つのテストをやって、ワーキングメモリを実感してみましょう。
②「桜、梅、電車」と覚えてください。次に100から7を5回引いて、その数字を言ってください。それから、最初に覚えた三つの言葉を言ってください。
ワーキングメモリに関わる脳部位は、図(左脳)の赤い部分。
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