ヒゲおやじ先生の脳コラム
マシュマロは大丈夫?
今回は我慢-自制心-のお話です。マシュマロを我慢する実験の追跡調査から、幼児期に我慢できる子であるかどうかが、その後にも関係してくるようです。
マシュマロ実験
スタンフォード大学の心理学者ウォルター・ミッシェルは1960年代後半から、子どもの自制心を調べる通称マシュマロ実験を繰り返してきました。有名な実験なので皆さんご存知かもしれませんが、簡単に紹介しておきます。
4歳児の目の前にマシュマロを
4歳児の目の前にマシュマロをひとつ置きます。 そして、「15分我慢出来たら、もう一つ上げるね」「我慢できなくなったら、ベルを鳴らして、食べていいよ」と言って出ていきます。 するとすぐに食べてしまう子もいれば、必死に我慢する子、歌を歌って気を紛らわす子も出てきます。
12年後(16歳)
その結果、1分以上我慢できなかった子は、家庭でも、学校でも問題を抱える率が高かったそうで、教室での問題行動も多く、感情を抑えるのも難しかったそうです。
一方、15分待てた子どもは、30秒しか待てなかった子どもよりも、2400点満点のSAT(大学進学適性試験)のスコアが平均して210点高かったそうです。
40年後(44歳)
さらにミッシェルらは40年後、つまり44歳になった子どもたち(?)を調べています。
かつてマシュマロ実験に参加した60名を対象に、抑制力や注意力を調べるGO/NOGO課題を実施しました。 悲しい顔とうれしい顔が出てきて、悲しい顔のときだけボタンを押す(GO)、うれしい顔の時は押さない(NOGO)といったタイプの情動型GO/NOGO課題です。
結果、4歳のとき、マシュマロで我慢ができた人たちのほうが、NOGOでちゃんとストップすることができたとか。
被験者のうち24名で行った脳スキャンでは、成績の悪かった人は、我慢に関係する右下前頭回(かぜんとうかい)の活動が低く、短期的な快感を求めるのにかかわる腹側線条体(ふくそくせんじょうたい)の活動が高かったそうです。
何を忘れたかを覚えておく実験
そして、このテストでも幼児期にマシュマロテストをパスした人のほうが成績がよく、同時に行った脳スキャンでも、神経処理の効率が高くなったことを示す神経的特徴を有することが明らかになっています。
幼児ポピーにはGO/NOGO課題もワーキングメモリ課題もふんだんに取り入れられていますから、「うちの子、マシュマロ大丈夫かしら?」とご心配な方はポピーをしっかりやりましょう。
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