親野智可等先生の子育て診断テスト

2017.12.19

長女ばかりを褒める先生。あなたはどうしますか?

次女の担任の先生は、以前、長女を受け持ったことのある先生です。
「お姉ちゃんはしっかりしていていい子でしたね」などと、その先生はしきりに長女を褒め始めました。
確かに、次女は、長女に比べると少しだらしがないところがあります。
このとき、あなたの行動は次のどれに近いですか?
その場に子どもはいないということで、考えてみてください。

【A】「長女はしっかりしているのに次女は少しだらしがないんです。どうしたらいいでしょうか」と相談する


【B】「長女ほどしっかりしてはいないんだけど、次女は気持ちはとてもやさしいんですよ」と言う

【C】 長女の話題で一緒に盛り上がり、敢えて次女の話題は避ける

【D】 話題を変える

診断結果

【A】「長女はしっかりしているのに次女は少しだらしがないんです。どうしたらいいでしょうか」と相談する

この先生は、すでに長女と次女を比べているようです。
そして、次女にいいイメージを持っていないようです。
親が「お姉ちゃんはしっかりしているのに、この子はちょっとだらしがないんです。どうしたらいいでしょうか?」などと言えば、それを決定付けることになります。
この後、ずっと、次女はそのように見られることになるかもしれません。
とにかく、子ども同士を比較して評価するのは、よくありません。

【B】「長女ほどしっかりしてはいないんだけど、次女は気持ちはとてもやさしいんですよ」と言う

一応、次女のいいところを伝えてはいます。
でも、しっかりしていないということを確信させる点ではAと同じです。

【C】長女の話題で一緒に盛り上がり、敢えて次女の話題は避ける

長女へのいいイメージはさらに強まるでしょうが、それが次女へのプラスになることはありません。

【D】 話題を変える

先生の中でも、子ども同士を、または兄弟姉妹を比較して見る人はいます。
そのような話題に付き合ってはいけません。
さっさと話題を変えることです。
そして、しばらくしたら、何気なく次女のいいところを伝えてください。
先生が気付いていない次女のいいところを伝えて、いいイメージを持ってもらうことがとても大切です。

解説

子ども同士を比較して見ていると、個々の子どもの美点を見逃します
子ども同士を比較すると、ろくなことはありません。
百害あって一利なしです。
決して、子どもを伸ばすことにはつながりません。
そのような話題は避けるのが賢明です。
したがって、いちばんいいのはDです。

子どもを見るときに、どうしても大人は他の子どもと比較してしまいます。
親は兄弟姉妹を比較し、教師はクラスの子どもを比較してしまうのです。

そして、そのとき、大人にとって都合のいい美点を持っている子が、全体的にいい子に見えてしまいがちです。
例えば、身の回りがきちんとしている、てきぱき受け答えができる、決められたことをきちんとこなせる、などという美点は、とても大人からの評価が高いのです。

そして、いつの間にか、それらを基準に心の中で子どもに優劣を付けていることもあります。
なんとなくこの子はあの子より優れている、というようなイメージを持ってしまうこともあります。

反対に、この子はあの子より劣っていると見てしまうこともあります。

このような見方は、実はとんでもない間違いなのです。
こういう見方に任せていると、個々の子どもがそれぞれに持っている美点を見つけ出すことはできません。

身の回りがきちんとしていない子が、内面にはとても豊かな感性を持っているかも知れません。
てきぱきしていない子が、とても優しい心を持っているかも知れません。
決められたことがきちんとこなせない子が、素晴らしい独創性を持っているかも知れません。

このような個々の子どもの美点に気が付くためには、その子自身をきちんと見るということが必要です。
常に子ども同士を比較して見ていると、それは不可能です。

  • ポピー公式HPトップ
  • ポピー子育ておうえん隊
  • 幼児向け連動動画
  • 高校入試情報
  • ポピっこアプリ紹介
  • 公益財団法人 日本教材文化研究財団