篠原先生

2017.12.15

旅に行こう!

旅とストレス

もう5年ほど前のことになりますが、わたしたちは「旅と健康に関する調査研究プロジェクト」を設立して、旅行前中後の心理学的、生理学的な変化を調べました。
二泊三日の九州周遊旅行で心理学的質問紙調査、血液、尿、唾液検査、脳波測定などを行ったのです。

※この記事は、「ほほえみお母さん&お父さん」2006年8月号に掲載されたものです。

なぜか悩みのタネが減る?

質問紙による調査では、いらいら、怒りなどのストレス反応が少なくなって、精神的な幸福感が増しました。
おもしろいことに、家族関係の悩みや仕事や収入の悩みなど、旅行に行ったからといって低減するはずのない悩みのタネも少なくなっていました。

生理学的にもストレス低下

生理学的にもストレス低下が認められました。

ストレスを受けると分泌が増えるコルチゾールが旅行中およそ半減し、また、アドレナリン、ノルアドレナリンなどのストレス物質も4割程度減っていました。

さらに、NK細胞というガンやウィルスの増殖を抑える自然免疫も活性を増し、SOD活性という活性酸素を除去して細胞のさびつきを抑える力も増していました。

女性はしあわせ?

不公平だな、と思う結果もありました。
快感や幸福感に関連する物質の変化です。

女性では、旅行前に快感に関連する物質の量が増し、旅行に入るととたんに満足感に関連する物質が増え始め、一番目の夜にピークを迎えたのです。
そして旅行中は満足感に関する物質が高い水準を保ち、旅行後では一転して快感物質が増すのです。
実にダイナミックな変化です。

一方、男性は哀れなほどに変化に乏しく、旅行中、わずかに快感物質が増す程度でした。

何はともあれ旅行に行こう

旅行前のワクワクする快感、旅行中の満足感、特に一番目の夜の満ち足りた感覚。
ストレスの低下、免疫力の向上、抗酸化力の向上。
何はともあれ、女性は旅行に行くべきだ。
男はオマケ…。

医食同源の旅、脳トレツアー

ま、男のグチはさておき、旅と健康に関する調査研究は、より具体的な旅の構築に入っています。
旅の持つ健康学的な効果を最大限引き出すツアーの構築です。

旅が健康に寄与する可能性を持つのなら、生活習慣病予防に役立てるツアーをつくろう。
食べ放題で台無しにするのではなく、旅行中の食を工夫し医食同源の旅をつくろう。
あるいは、旅行中、コルチゾールが減るのなら、コルチゾールは脳細胞を殺すから、旅を脳機能アップ、脳の若返りに利用することも出来るはずだ、というわけです。
前者は医食同源の旅、後者は蓼科高原脳トレツアーです。
いずれも科学的な実証調査を並行して実施し、良好な結果を得ています。

何にせよ、旅は日常から切り離された癒しの時間です。
たまには旅に行きましょう。

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