篠原先生

2017.12.15

「親子でドリるん」は親子の脳トレ

『ポピっこドリるん』は「脳を育てる」にどのくらい役立つか?ポピーでは、篠原先生にお願いして、それを調べる実験を行いました。今回は、その結果を報告していただきます。

『ドリるん』をしているとき、親子の脳活動は?

わたしたちは、『ポピっこドリるん』が子どもの脳を育てるのに役立つ、また、親子で『ドリるん』をすることが、親にとっても役立つと主張しています。
脳科学的な知見に基づいて主張しているわけですが、そのように主張する限り、実際の『ドリるん』で子どもの脳が賦活することと、親の脳も賦活することを示すことは、わたしたちの義務、いわば製造者責任です。
そういうわけで、東京理科大学と新学社は親子の脳活動を調べています。
下の図はそのときのものです。

見ている親も脳トレーニング!

図1は、※7月号の「きる・はる」「ちぎる・はる」のページを行っているときの脳活動です。
上段は子どもの脳のようすで、fNIRStationという機器で調べた結果です。
赤っぽいところが賦活しているところ、前頭葉、運動野、体性感覚野、角回などが賦活しています。
「きる・はる」「ちぎる・はる」はただの遊びではなく、思考や意思(主に前頭葉が関与します)、気づき(角回が関与します)に関わる部位を刺激しているのです。

下段は親の左右の前頭葉です。
光トポグラフィ装置で調べています。
赤いところが賦活しているところです。
子どものすることをボーっと眺めているだけでは賦活しませんが、少し手助けをするだけで、親の前頭葉が急に賦活してきます。
子どもに付き合うのは面倒、とお考えかもしれませんが、それこそ親の脳トレ。
最近、もの忘れが…、というおうちの方は自分のためと思って子どもの『ドリるん』に付き合うべきでしょう。
「親子でドリるん」はまさに親子にとっての脳トレです。

※この記事は、「ほほえみお母さん&お父さん」2006年10月号に掲載されたものです。

親のサポートは親子お互いの刺激になる

図2も示唆的です。

これは「迷路」のページをしているときのものですが、子どもは時々行き詰まっています。
そのとき、脳活動は低下しています。
「考えさせることが学習」とよく言われますが、考えてもわからないときは考えているように見えても脳活動は停止しています。
さっさとヒントを与えた方が、子どもの脳は賦活します。
図では、子どもが行き詰まっているときに、うまいタイミングでお母さんがヒントを与え、子どもが気づいて脳を賦活させています。

親子の脳は、『ドリるん』をはさんでこのように相互に賦活し合っているのです。
「親子でドリるん」で親子の脳を育てましょう。

■実験の概要

2006年6月10日、11日の2日間、年長、年中、年少からそれぞれ3組の親子、計9組18人の方々にご協力をいただき、諏訪東京理科大学の篠原先生の研究室で、実験を行いました。
研究室には親子1組ずつ入っていただき、近赤外線分光法という方法で、『ポピっこドリるん』に取り組むお子さんの脳活動と、そのときの親御さんの脳活動を調べました。
実験には、『きいどり』『あかどり』『あおどり』の6~8月号を使用し、「間違い探し」「見つけ」「迷路」など、5項目程度をやっていただきました。
見たこともないような部屋で、知らない人たちが大勢いる中だったので、やはりお子さんたちは緊張気味でしたが、1項目につき約5分ずつがんばってくれました。
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