篠原先生

2017.12.14

食べることは相変わらず重要です

近年、朝ごはんをはじめとして、食事の大切さが注目されていますが、今月は、脳の成長やはたらきからみた「食」についてのお話です。
大人にとっても見逃せないポイント満載です。

子どものメタボ

最近の子どもは肥満傾向にあって、中にはメタボリックシンドローム、生活習慣病予備軍の子どもも多くなっています。
そこで運動の必要性や、スナック菓子、炭酸飲料の制限などが常識化しつつあります。

その考えには全く賛成ですが、食事をしっかりとることは、子どもの成長、とりわけ脳の成長にとって必要であることは、いつの時代も変わりません。

脂質だいじ

たとえば、生活習慣病予防では避けられがちな脂質ですが、水分を除けば脳の半分は脂質でできています。

ですから、スタイルを気にして子どもが脂質抜き、などということはまったくのナンセンスです。
中高年でも急激なコレステロール低下は、認知機能の低下を伴う場合があります。

もっとも、だからコレステロールが高くていいといっているわけではなく、脂質のバランス、肉、魚、植物のあぶらをバランスよくとることが必要になります。
たとえば、肉食の多い欧米の調査では、週3皿以上魚を食べている人のほうが認知症になりにくい、という疫学データがたくさん報告されています。

糖質だいじ

甘いものもスタイルや生活習慣病予防では忌み嫌われがちです。
しかし、脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖です。
しかも、人が一日に摂取するエネルギーの20%近くは脳が消費し、その消費量は筋肉による消費とほぼ匹敵します。
ですから糖質の供給なくしては脳は働きません。

いつもあめをなめていろ、とか、砂糖菓子を食べろといっているわけではありません。

そういうとり方だと直後はブドウ糖濃度が上昇してくれますが、すぐに低下してしまいます。
消化の遅い米や全粉穀物などで安定的に供給することが必要です。
朝食抜きなんてもってのほか、脳を虐待しているようなものです。

結局はバランス

結局は、脂質、糖質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などをバランスよく、というお決まりの話にいたります。それが中高年にとっても、成長途上の子どもにとっても必須です。

その分、お母さんが考えることが増えてしまうわけですが、その面倒さは自分の脳を鍛えることになります。
たとえば図はキャベツの千切りをいつものようにしているときと、心をこめてしているときの比較です。
心をこめて千切りしているほうが特に前頭葉が活性化します。

子どものためは自分のためです。

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