篠原先生
子どもの臨界期、感受性期 だいじな時期
子どもの臨界期、感受性期 だいじな時期
知識や技術の習得で、「水が砂にしみ込むように」とたとえられえることがありますが、今回はそんな臨界期や感受性期についてのお話です。
そこへ向かって成長していく子どもたちのためには要チェック!
ゴールデンエイジ(臨界期)はいろんなことを短時間で覚えられる時期
サッカーや野球などのスポーツでは、ゴールデンエイジという言葉がふたつの意味で使われています。
世代を指すゴールデンエイジ
ひとつは、才能のある選手がたくさんいる、選手層の厚い世代のことを指します。
中田世代とか、松坂世代とかがこれにあたります。
発達が容易な時期を指すゴールデンエイジ(臨界期)
もうひとつは、一生のうち一度だけ訪れる、いろんなことを短時間で覚えられる時期のことで、臨界期、感受性期、などと言われる、発達に関して最も重要で、かつ発達が容易な時期を指します。
スポーツでの感受性期を表すスキャモンの発育曲線
スポーツでの感受性期は、スキャモンの発育曲線を使って説明されます(上図)。
図の説明をすると、
一般型は身長、体重、筋肉などの発達。
神経型は、おもに脳。
生殖型は、生殖器
リンパ型はリンパ腺などの成長曲線を表します。
生殖器の発育に、脳の深部や大脳辺縁系の発育が対応しています。
サッカーなどで言われているゴールデンエイジは、9歳~12歳、脳が9割がた完成し安定期に入り、身長や体重も思春期のスパート前の比較的安定した時期です。
性的成熟もこれからですから、三重に安定的な時期で、だからこそドリブルやシュートなどの技術を覚えるのに、もっとも効率がいい時期だと考えられます。
実際、この時期の子どもたちは吸収が早く、目を見張る成長を遂げます。
子どものもの覚えがいい時期とは
このことはサッカーに限らずスポーツ一般でもそうですし、学習面でもそうです。
脳はこの時期までにおおむね完成し、ほぼ前頭連合野⇔側頭連合野だけがこの時期に成長していきますから、もの覚えがよく、ことがらの規則を読み取るのがうまい時期になります(上図)。
だからこの時期に中学受験に向けてものを覚え、算数などの解き方に悩むことはある意味適切です。
ゴールデンエイジの成長を支えるプレゴールデンエイジ
サッカーでは、このゴールデンエイジ前の5歳~8歳の時期をプレゴールデンエイジと呼び、この時期に全身的な運動を様々に体験しておくことが、ゴールデンエイジの急激な成長を支えると考えられています。
『ポピっこドリるん』で取り上げているような、からだ遊びはぜひとも必要なのです。
またゴールデンエイジに、学力がきちんと伸びるためには、幼児期からプレゴールデンエイジにかけての時期に、脳をバランスよく鍛えておくことが必要です。
そのための『ポピっこドリるん』です。
(ポピー編集部より)
篠原先生の「子どもの臨界期、感受性期 だいじな時期」というテーマで記事をご紹介しました。
その他にも、篠原先生にはさまざまな記事を執筆いただいております。
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