ヒゲおやじ先生の脳コラム

2017.12.01

算数と読みの力を育てるには

今回は、親にとって見逃せないお話ですが、最初の見出しであせらないでくださいね。最後までじっくり読むと、今していることを続ければいいと安心できますよ。

7歳時点の算数と読みの力で子どもの将来が決まる?

最近、興味深い報告がありました。エジンバラ大の研究チームによるものです。 彼らは、1958年以降に生まれたイギリスに住む1万7000人について、42歳までに得られた社会的経済的なステータスと関係が深かったものは何かを分析しました。
その結果、大人になってからの社会的経済的ステータスにもっとも影響を与えたのは、7歳時点での算数と読みの成績だったそうです。そしてこの結びつきは、生まれたときの家の社会的経済的なステータスや大人になってからの知的水準以上に強かったそうです。 また算数や読みの成績がいいと学業に対する動機づけも強く、教育期間も長くなっていたそうで、早いうちに算数や読みの力を改善しておくことは、子どもの人生全般にわたって好影響を与えるとエジンバラ大の研究チームは述べています。

※この記事は、「ほほえみお母さん&お父さん」2013年9月号に掲載されたものです。

ワーキングメモリの力が成功を予測する

将来的成功との関連でよく知られているのは一般知能(IQg)です。一般知能は幼児ポピーが大事なターゲットのひとつとしている「記憶や情報を一時的に保持して答えを導く力」=「ワーキングメモリの力」と強い関係があり、言葉の通り知能一般にかかわりますから、国語や算数の成績ともかかわります。
また幼児期の双方向の読み聞かせがIQの上昇をうむことも知られていますから、算数と読みの成績が将来の収入や成功を予測することは十分ありえ、エジンバラ大はその関係を大規模な縦断調査で見出したということです。
行動遺伝学的に見れば、数学の力はその人が持っている遺伝子の組み合わせの影響が比較的強く、言語能力は逆に家庭環境の影響が比較的大きいので、国語と算数の力を見ておけば、遺伝と育ちの両方をだいたい抑えたことになりますから、ますますありそうな話です。

小学5年生の国語と算数には基本的生活習慣が効いてくる

オックスフォード大(研究当時は東大)の苅谷らの日本国内の調査では、2001年の小学5年生では、基本的な生活習慣が身についていることと国語や算数の正答率が高いことがかかわっていたそうです。そして、その関係は1989年時では見いだせなかったそうですから、2013年の今ではますます基本的な生活習慣が大事になっていると思われます。
ところで、この研究でいう基本的な生活習慣とは、「朝、自分で起きる」「朝食を食べる」「朝、歯を磨く」「行ってきます、ただいまのあいさつをする」「前の日に学校の用意をする」「決まった時間に寝る」の六つで測定したものです。こういう当たり前なことが子どもの人生にかかわっていくのです。
ポピーでは「家庭教育五訓」をかかげています。「親は、まず、くらしを誠実に」「子どもには、たのしい勉強を」「勉強は、よい習慣づくり」「習慣づくりは、人づくり」「人づくりは、人生づくり」。古典的といっていいほど昔から言いつがれてきたことですが、実際、こういうことが子どもの将来にとって大事なのです。
カリフォルニア州の研究では、有酸素運動能力が高いと国語と算数の能力が高いそうです。ですから、算数と読み、生活習慣の改善と同時に、ポピーの運動遊びのページをしっかり実行してください。この効果も運動不足の今こそ効いてくると思われますから。

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