ヒゲおやじ先生の脳コラム

2017.11.30

よりよい学習習慣をつけるには

『ポピっこ』は親子で楽しく!をおすすめし、実践されているご家庭も多いですよね。今回は、その重要性の再確認と、習慣づくりのヒントをお話しくださいます。

親が勉強を見ることは大事。特に影響が大きいのは…

幼児ポピーでは、ポピーを親子で行うことを推奨しています。子どもに任せっぱなしにするのではなく、親が勉強を見ることが家庭での学習習慣をつけると考えてきたからです。 実際、慶応大の中室先生らの研究によれば、親が勉強を見ていたり、勉強する時間を決めて守らせたりしている場合、子どもの学習時間が長くなることが実証されています。 彼女らは親のかかわりを「勉強したか確認している」「勉強を見ている」「勉強をする時間を決めて守らせている」「勉強するように言う」に分け、子どもの学習時間への影響を調べました。結果、親が「勉強を見ている」「勉強する時間を決めて守らせている」と子どもの学習時間は長くなる傾向が確かめられました。 特に「父親が、机に座って勉強を見ている」場合に、もっとも学習時間が長くなる傾向が見られたそうですから、父親と幼児ポピーをすることは大事です。逆に、母親が「勉強するように言う」のは、子どもが女子だとかえって学習時間を減少させたそうですから、お母さんは口だけで関与しようとするのではなく、実際に勉強につき合うのが大事です。また親ではなく、おじいちゃん、おばあちゃんなど他の大人が勉強を見た場合でも、子どもの学習時間が長くなったそうですから、子どもの学習には大人がかかわるほうがいいでしょう。

まずはほめ、見守ることが大事

生理学研究所の定藤先生らは金銭的な報酬も、ほめられるといった社会的な報酬も、同じ脳の報酬系、とりわけ線条体(せんじょうたい)の活動を高めることを報告しています。線条体は行動のコントロールや、行動のスイッチにかかわり、またその腹側には快感の中核、側坐核(そくざかく)があって、行動と快感を結びつけています。
だから、子どもの何かを伸ばしたければ、素質や能力ではなく、それにかかわる行動や努力をほめることが大切です。報酬系は、ある行動に対する報酬が繰り返し与えられると、その報酬が得られそうなサインを受け取っただけで予測的に活動します。ですから、望ましい行動を繰り返しほめると、そういうことをしようかなと思うだけで線条体が活動します。これが「やる気」の正体です。
一方で、報酬系は「参照点依存性」を持つことが知られています。たとえば、こういうふうにするとこんな報酬が得られるといった予測が成立すると、実際の報酬に対しては予測どおりなので反応しなくなります。繰り返しほめられると、ほめられるのが当たり前になって、ほめられても報酬系が活動しなくなるのです。
ですから子ども本人が好きで取り組んでいることであっても、やたらにほめられる続けると、やる気を失いパフォーマンスも低下しがちになります。特に年齢が上の子ほどやる気が低下し、ほめられなければしなくなってしまうことが起きるのです。
だから最初のうちは行動をほめて誘導することが必要ですが、どこかからは間引いてほめることが必要になります。実際、何かをしたときにほめられる(報酬を与えられる)確率を50~75%にすると、報酬予測時にも、実際に報酬を得られた時点でも線条体が活動を高めてくれます。そして、子どもが何かをして楽しそうなら、つまり自己報酬が行動のうちで得られているようなら放っておく。皆さん、知らない間にやってきた、あのバランスが大事なのです。
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